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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] ロシア連邦の公務員養成計画及び企業経営者養成計画への日本国政府の協力の継続のための日本国政府とロシア連邦政府との間の協力プログラム

[場所] 東京
[年月日] 2005年11月21日
[出典] 外務省
[備考] 
[全文]

 日本国政府及びロシア連邦政府(以下「双方」という。)は、

 日本国とロシア連邦との間の創造的パートナーシップ構築のために双方が更に協力することの重要性を確認し、

 公務員養成計画及び企業経営者養成計画への日本国政府による協力が、人材育成の分野においてロシアの経済改革に貢献するとともに、両国間の交流の強化、相互理解の深化及び友好的関係の発展を促進することについて認識を共有し、

 1997年11月2日付けの「橋本・エリツィン・プラン」、2000年9月5日付けの「日本国及びロシア連邦との間の貿易経済分野の協力の深化のためのプログラム」及び2003年1月10日に採択された「日露行動計画」において、公務員養成計画及び企業経営者養成計画の実施における日本国とロシア連邦との間の協力の継続が確認されていることを想起し、

 2003年6月29日付けの「ロシア連邦において実施される改革への技術支援のための日本センターのロシア連邦領域における活動に関する日本国政府とロシア連邦政府との間の覚書」の関連規定に従い、

 経済、金融財政等の行政分野で540名のロシア連邦の国家公務員が公務員養成計画の枠内で訪日研修を行い、また、1350名のロシア人専門家が企業経営者養成計画の枠内で訪日研修を行い、それぞれ有意義な研修を行ったことを高く評価して、

 公務員養成計画及び企業経営者養成計画への協力の継続のために、以下の点につき意見の一致をみた。

1.公務員養成計画への更なる協力

(1)日本国政府は、各種国家行政分野における人材育成のため、ロシア連邦の国家公務員の訪日研修を実施する。

(2)日本国政府は、訪日研修に先立って日本センター又はロシア側が選定する場所において行われるロシア連邦の国家公務員の研修のために講師を派遣する意図を有する。

(3)ロシア側は、毎年、外交上の経路を通じて、日本国政府に対し訪日研修のテーマに関する提案を提示する。ロシア側は、訪日研修に参加するロシア連邦の国家公務員の選抜を行う。日本国政府は、ロシア側の提案並びに関係機関及び省庁間の協議の結果を踏まえ、訪日研修を実施する。

(4)日本国政府は、訪日研修の実施形態の更なる充実に努める。そのために、日本国政府は2005年度においては、20名のロシア連邦の国家公務員に対し2週間の短期訪日研修を実施する。

2.企業経営者養成計画への更なる協力

(1)日本国政府は、経済分野における日露協力の一層の発展に寄与すべく、ロシア連邦の企業経営者を対象に、日本センターを通じて、巡回講座及び実地研修(OJT研修)を含む訪日研修を実施する。2005年度においては、この枠組みにより200名のロシア企業経営者を訪日招聘する意図を有する。

(2)日本国政府は、訪日研修に先立ち、日本センター又は双方で調整された都市において巡回講座を行う。右巡回講座における、経営者養成委員会の推薦者と日本センターが選抜する一般公募の参加者の割合は、3対1とする。日本国政府は、巡回講座の全参加者のうち成績優秀者を訪日招聘する意図を有する。

(3)ロシア連邦政府は、経営者養成委員会を通じて、2005年から2008年まで上記(1)の巡回講座及び訪日研修に参加する者を企業経営者養成計画の参加者の中から推薦する。

(4)双方は、以下について協力する。

(イ)ロシア連邦内における巡回講座及び訪日研修のテーマ、実施状況及び今後の改善の方向性につき意見交換を行い、ロシア連邦内における巡回講座の実施場所について調整する。

(ロ)フォローアップセミナーその他の各種行事の開催を含む巡回講座及び訪日研修の参加者によって組織される同窓会の活動を支援すること

(ハ)企業経営者養成計画への協力の効率性に関する分析及び評価を共同で実施し、日本国及びロシア連邦の関心を有する機関に対し、日露協力に関する情報提供を行うこと

(5)ロシア連邦政府は、現行法の範囲内で、税、出入国その他の問題に関し、独立非営利法人「日本センター」の運営に協力する。

3.費用負担

(1)ロシア側は、訪日研修の参加者のロシア連邦と日本国との間の往復交通費並びにロシア連邦国内での移動及び準備に関する費用を負担する。

(2)日本国政府は、巡回講座の実施に係る費用、訪日研修の実施に係る費用並びに訪日研修の参加者の日本国における宿泊料、食事代、交通費及び日本滞在中の傷害保険を含めた受入経費を負担する。

4.協議その他

(1)双方は、本プログラムに係る協力に関する具体的な問題を、個別の協議により事務的に解決する。

(2)双方は、2008年3月31日までに本プログラムを再検討し、必要な改善を行う。

日本国政府のために

ロシア連邦政府のために

東京 2005年11月21日