データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 西豪州首相レセプションにおける田中内閣総理大臣のステートメント

[場所] 
[年月日] 1974年11月4日
[出典] 田中内閣総理大臣演説集,567−568頁.
[備考] 
[全文]

 コート首相閣下、御列席の皆様

 本日はこのように盛大な歓迎会を催していただき、また、西豪州を代表される皆様にお会いする機会を得ましたことを心から感謝致します。

 昨年五月皇太子同妃両殿下が西豪州を訪問され、州の皆様より暖かい歓迎をうけられましたことに対し、日本国民を代表し心より御礼申し上げます。

 西豪州とわが国との関係は、十七世紀のおわり、当州の西北部コサックおよびブルーム地区に日本人が渡来し、真珠貝採取に従事した頃より始まったものでありますが、その後双方の関係はあらゆる分野において幅広く伸展しました。今後とも西豪州と日本は良きパートナーとして協力し、共に発展を遂げなければなりません。明日訪問を予定しております西豪州ピルバラ地域の鉄鉱石開発は、双方の相互依存がもたらした協力関係の具体例を示したものであります。

 また、このたび私の西豪州訪問にときを合わせて、西豪州豪日協会が設立され、顧問にチャールス・コート首相が、また、会長に私の旧友でありますゴードン・フリース前駐日大使が就任されましたことは、まことに喜びに堪えません。同協会の御発展を心より祈念いたします。

 私は経済、文化等幅広い分野での交流を通じ、西豪州とわが国との友好および協力関係が一層増進されることを念願して御挨拶と致します。