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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 湾岸危機に関する資料,国際連合の安全保障理事会決議678選択に伴う坂本内閣官房長官談話

[場所] 
[年月日] 1990年11月30日
[出典] 外交青書35号,471−472頁.
[備考] 
[全文]

1.11月29日(現地時間)国際連合安全保障理事会は決議678を採択した。

 我が国は,国際社会の責任ある一員として,国際連合憲章に従った湾岸危機解決のためのこれまでの安全保障理事会の努力を評価するとともに,本件決議がこの努力を強化するものとして支持する。

 本決議は,イラクのクウェイトからの即時無条件撤退を求めた決議660を始めとする一連の安全保障理事会決議の履行が国際社会の秩序維持のために基本的重要性を持つとの見地に立ち,これら決議が明年1月15日までに履行されない場合には,関係国がその履行を実現するために,あらゆる必要な手段を取る権限を与えるものであり,極めて重大な決議である。

2.我が国は,最後まで平和的な形で本件危機の解決が実現するよう強く希望するものである。

 又,我が国としては,イラクが本決議をそのための最後の機会と認識して,事態が真に重大な局面を迎えることのないよう速やかに関連安全保障理事会決議を履行し,クウェイトからの撤退,すべての外国人の即時・無条件解放を実施するよう改めて強く要求する。