データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 湾岸危機に関する資料,坂本内閣官房長官談話

[場所] 
[年月日] 1990年8月5日
[出典] 外交青書35号,466頁.
[備考] 
[全文]

1.日本政府は,国際紛争は平和的に解決されなければならないとの立場から,イラク軍のクウェイト侵攻を強く非難し,イラクが国連安保理決議第660号を直ちに履行するよう改めて要請する。

2.政府はかかる立場に立って,既に在日クウェイト資産の保全に資する措置を取ったが,これに加えて,今般,以下の措置をとることを決定した。

 (1)イラク及びクウェイトからの石油輸入の禁止。

 (2)イラク及びクウェイトへの輸出の禁止。

 (3)イラク及びクウェイトに対する投資,融資その他資本取引の停止のための適切な措置。

 (4)イラクに対する経済協力の凍結。

3.政府は,国連安保理において制裁決議が成立する場合には,同決議を切実に履行する。

4.政府は,この地域における日本国民の安全を確保するため,引き続き必要な措置をとることとする。

5.政府は,問題を交渉により解決するための国際的努力を全面的に支援する。