データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 日韓米三国調整グループ合同プレス発表

[場所] ワシントン
[年月日] 2003年1月7日
[出典] 外務省
[備考] 
[全文]

ジム・ケリー東アジア太平洋担当国務次官補、李泰植(イ・テシク)外交通商部次官補、薮中三十二外務省アジア太洋州局長を各々首席とする米国、韓国及び日本の代表団は、2003年1月7日、ワシントンにおいて、本年最初の日韓米三国調整グループ(TCOG)会合を開催した。

三カ国の代表団は、北朝鮮に対し、その国際的なコミットメントの違反となる核兵器プログラムを廃棄するよう求めた。三カ国の代表団は、この問題の平和的、外交的解決を追求するとの意図を改めて表明した。三カ国の代表団は、北朝鮮の国際社会全体との関係は、北朝鮮がその核兵器プログラムを完全に廃棄するための迅速かつ検証可能な行動をとること、及び核に関するその国際的なコミットメントを完全に遵守することにかかっていることを強調した。

三カ国の代表団は、北朝鮮が核凍結を解除するためにとった最近の措置について深刻な懸念を表明し、北朝鮮に対し、これらの措置を撤回し、これ以上不用意な行動をとらぬよう求めた。三カ国の代表団は、1月6日にIAEA理事会において採択された、北朝鮮にNPTの下にあるIAEA保障措置協定を遵守するためにIAEAと迅速かつ完全に協力することを求めた決議に対する強力な支持を表明した。三カ国の代表団はこの決議が全会一致で採択されたことは、北朝鮮の行動が受け入れられないとの幅広い国際的コンセンサスを強調するものであることに留意した。

三カ国の代表団は、北朝鮮が核兵器を保有することについての安全保障上の合理的理由はないことを強調した。米国代表団は、米国は北朝鮮に脅威を与えておらず、侵攻する意図もないと述べたブッシュ大統領の声明について改めて述べた。韓国代表団及び日本代表団は、この声明に対する強い歓迎の意を改めて表明した。三カ国の代表団は、朝鮮半島の非核化の前提となる、南北の和解と不可侵及び交流協力に関する合意書及び朝鮮半島の非核化に関する南北共同宣言の履行の重要性S再確認した。

三カ国の代表団は、北朝鮮の国際社会との関係がその核兵器プログラムの検証可能な中止にかかっていることを改めて表明しつつ、2000年6月の南北共同宣言に基づく南北対話及び日朝平壌宣言に基づく日朝対話を引き続き支持することを表明した。このような対話は、二国間の懸案を解決するための、また、北朝鮮に対して、朝鮮半島の非核化についての国際社会の要請に迅速かつ目に見える形で応えるよう要求するためのチャネルとして資するものであり、これにより、地域の平和と安定に貢献するものである。米国代表団は、米国は北朝鮮がいかにして国際社会への義務を満たすかについて話し合いを行う用意があると説明した。しかしながら、米国代表団は、米国は北朝鮮に対し既存の義務を果たすための代償を与えることはしないと説明した。

三カ国の代表団は、北朝鮮が核兵器プログラムを廃棄することは、北朝鮮が国際社会との関係を改善するより良い道に戻る機会を与え、これにより北東アジアのすべての国の平和、繁栄及び安全が確保されることを強調した。

最後に、三カ国の代表団は、継続的かつ緊密な協議と三カ国間の協調が、この大変重大な問題に対処する上で依然として極めて重要であることを再確認した。三カ国の代表は、各々の対北朝鮮政策を更に調整するため、近い将来、再度会合を開催することで一致した。