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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 林東源韓国大統領特使北朝鮮訪問時の共同報道文

[場所] 平壌
[年月日] 2002年4月5日
[出典] 朝鮮日報統韓研究所データベース
[備考] 翻訳 玄大松
[全文]

南側の要請によって、2002年4月3日から5日まで、金大中大統領の特使である林東源青瓦台外交安保統一特別補佐役が平壌を訪問した。

林東源特使は、金正日国防委員長を表敬訪問して、金大中大統領の親書を手交し、金大中大統領の意志を伝達した。

滞在期間中、林東源青瓦台外交安保統一特別補佐役と朝鮮労働党中央委員会金容淳秘書との間に会談が行われた。

この過程で、双方は、最近造成された韓半島情勢と民族の前に差しせまった厳しい事態、そして南北関係で提起される諸般問題について幅広く協議し、次のように合意した。

1.双方は、歴史的な6・15南北共同宣言の基本精神に合致するよう互いに相手を尊重して、緊張状態が造成されないように努力することに合意した。

2.双方は、わが民族同士で力を合わせ、国の統一問題を自主的に解決していくための共同宣言の合意事項によって、この間一時凍結されていた南北関係を原状回復させることにした。

3.双方は、南北間で切断された鉄道と道路を連結することが重要であるという認識の下、東部で新たに東海線鉄道及び道路を、西部でソウルと新義州との間の鉄道及び文山と開城との間の道路を早急に連結することにした。

4.双方は、南北間の対話と協力事業を積極的に推進して行くことにした。

(1)南北経済協力推進委員会第2次会議を、5月7日から10日まで、ソウルで開催することにした。

これと共に鉄道と道路の連結、開城工団建設、臨津江水害防止対策などを討議するための南北経済協力推進委員会の下部に実務協議会を稼動することにした。

(2)金剛山観光の活性化のための第2次当局間会談を、6月11日から金剛山で行うことにした。

(3)第4次離散家族訪問団交換事業を、4月28日から、金剛山で行うことにした。

(4)北側は、既に合意した経済視察団(北:経済考察団)を、5月中に、南側に送ることにした。

(5)双方は、以上の合意事項履行の進捗状況に応じて、第7次南北長官級会談を開催することにした。

5.双方は、南北軍事当局者間の会談を再開することにした(北:双方は、北南軍事当局者間の会談を再開することに対して、軍事当局に建議することにした)。

6.双方は、同胞愛と人道主義、相扶相助の原則で互いに協力することにした。

2002年4月5日

平壌