データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 南北共同宣言に関する外務大臣コメント

[場所] 
[年月日] 2000年6月15日
[出典] 外務省
[備考] 
[全文]

1.14日、金大中(キム・デジュン)大統領と金正日(キム・ジョンイル)総書記・国防委員長との間の会談を始め長時間に亘り幅広く意見交換が行われ、その結果、同日夜に南北共同宣言が署名されたものと承知している。

2.約半世紀に及ぶ分断を経て南北の首脳が直接意見交換を行ったこと自体が歴史的意義を有するものであり、それに加え、南北の首脳自身が史上初めて文書に署名したことは画期的なことと考える。南北共同宣言の具体的内容については、今後韓国側より説明を受けることになろうが、同宣言に盛り込まれている各項目は、いずれも南北間にとって大きな意味をもつものである。このような成果が得られたことは、南北両指導者の信頼と理解が深まったことの証左であり、わが国政府としても歓迎したい。今回の成果を基礎に、南北間の対話が継続・進展し、朝鮮半島の緊張が緩和することを強く期待するとともに、こういった動きが、日朝国交正常化交渉にも良い影響を与えることを期待する。

‐「南北共同宣言」骨子‐

 1.統一問題のために南北が自主的に協力

 2.南北の統一のためのアプローチには共通性があることを認め、それに基づき統一を進める

 3.8月15日に離散家族の相互訪問を実施

 4.南北は経済協力を通じて民族の経済を均衡的に発展

 5.合意を速やかに実施するために、事務レベルで当局者間の対話を実施する

 6.金正日総書記・国防委員長が適切な時期にソウルを訪問することで一致