データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 米朝合意文

[場所] ジュネーブ
[年月日] 1993年7月19日
[出典] 朝鮮日報統韓研究所データベース
[備考] 翻訳 玄大松
[全文]

核問題解決のための米朝会談の合意文

米国代表団と朝鮮民主主義人民共和国代表団は、1993年7月14日から19日まで、ジュネーブで、核問題解決のための2段階会談を進行した。

双方は、1993年6月11日付の米国と朝鮮との間の共同声明の原則を再確認した。

米国側は特に、核兵器を含む武力は使用せず、かつ、このような武力による威嚇もしないということを保障する原則に対する自らの公約を再確認した。

双方は、朝鮮民主主義人民共和国が、現存の黒鉛減速原子炉及び関連核施設を軽水炉に交替することが望ましいという事実を認める。米国は核問題の終局的解決の一環として、また、軽水炉設備に関連した問題解決が実現できるということを前提に朝鮮の軽水炉導入を支持し、そのための方案を朝鮮民主主義人民共和国と共に模索する意思を表明する。

双方は、国際原子力機関の核安全装置の完全かつ公正な適用が国際的な核拡散防止体制の強化に不可欠であるという見解を共にした。この基礎の上で朝鮮民主主義人民共和国は、核安全とそれに関連した懸案問題について国際原子力機関との交渉を出来るだけ早い期に始める用意を表明する。

米国と朝鮮民主主義人民共和国は、また韓半島非核化に関する南北共同宣言履行の重要性を再確認した。朝鮮民主主義人民共和国は、核問題を含め、双方間の問題に関して南北会談を出来るだけ近い時期に始める意思を相変らず持っているということを再確認した。

米国と朝鮮民主主義人民共和国は、軽水炉導入に関連した技術的問題を含め核問題解決に関連した懸案問題を討議し、米国と朝鮮民主主義人民共和国間の全般的な関係改善の基礎を築くために、2カ月以内に次の会談を進行することに合意した。

1993年7月19日

ジュネーブ