データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 日英共同記者会見

[場所] 
[年月日] 2016年5月5日
[出典] 首相官邸
[備考] 
[全文]

【安倍総理冒頭発言】

 まず、先般の熊本地震に際し、デービッドより、そして英国政府及び英国国民の皆様からいただいた連帯の表明に、心から感謝申し上げたいと思います。

 エリザベス女王陛下が、先月90歳の誕生日を迎えられたことに対し、心より祝意を申し上げます。日本の皇室と英国の皇室の交流は、日英関係の基盤であります。

 2年前に、ここ首相官邸でデービッドと会談し、ダイナミックな戦略的パートナーシップに関する日英共同声明を発表しました。再度英国を訪問することができて、大変嬉しく思います。英国の皆様による温かい歓迎に感謝申し上げたいと思います。

 私が議長を務めるG7伊勢志摩サミットに向けて、デービッドと緊密に連携し、成功に導きたいと思います。

 伊勢志摩サミットでは、世界が直面する様々な課題について、価値観を共有するG7らしい戦略的な議論を行いたいと思います。特に最大のテーマとなる世界経済、そしてテロへの対応について、G7の結束と力強いメッセージを示していく考えです。G7の結束力、これをしっかりと示していきたいと思います。こうした私の考え方を、今日デービッドに支持をいただき、大変有意義な会談となりました。

 会談の中では、世界経済について通常の景気循環を超えて危機に陥るリスクを回避し、世界経済を再活性化させるため、G7には構造改革の加速化に合わせて機動的な財政出動が求められており、伊勢志摩サミットでG7として一段と強いメッセージを発出したいと考えていることを、お伝えをいたしました。

 デービッドと金融政策、機動的な財政出動そして構造改革を、それぞれの国の事情を反映してバランスよく進めていくことが重要である、という点で認識を共有できたと考えています。この点については、今回の欧州訪問で会談を行ったイタリア、フランス、そしてドイツの首脳も同様であります。

 もう一度申し上げますが、機動的な財政出動、構造改革をそれぞれの国の事情を反映しつつ、バランスよく、かつ協力して進めていくことが重要である、という点で認識を共有できたと考えています。

 この点について、伊勢志摩サミットで引き続き議論を行っていくことでも一致をいたしました。G7首脳の間で議論し、世界経済の持続的な成長に寄与すべく、G7として協調して、明確な力強いメッセージを出すことでも一致をいたしました。

 テロ、暴力的過激主義対策も重要であります。G7として、テロ、暴力的過激主義対策にリーダーシップを発揮していくことについても、デービッドと一致をいたしました。

 さらに、日EU関係についても議論を行いました。日本は、EUのゲートウェイである英国との関係を重視しています。この観点から、日EU・EPA及びSPAの早期妥結の重要性をキャメロン首相と再確認できたことは、大変心強いと思います。

 この後、キャメロン首相と共にノースポールの車両基地を視察いたします。英国には、約1,000社の日本企業が進出をし、約14万人の雇用を創出しています。そうした強固な日英経済関係の現場をデービッドと共に確認し、更なる経済関係強化につなげていきたいと思います。

 今晩は、英国首相迎賓館であるチェッカーズに泊まり、日英関係や、アジア、ウクライナ・ロシア等の地域情勢、安保理改革等のグローバルな課題について、デービッドとじっくりと議論を行うことを楽しみにしています。

 特に、北朝鮮や東シナ海、南シナ海など、アジアのますます厳しさを増す安全保障環境について認識を共有し、地域の平和と安定のため、日英で連携を強化していきたいと思います。

 法の支配を始めとする基本的価値を共有する日英両国は、国際社会の平和と安定に責任を有する大国であり、アジア及び欧州において、それぞれ最も緊密な安全保障のパートナーであります。

 このような日英関係の下、アジア、欧州、地球規模の課題について、キャメロン首相と緊密に連携して対応していきたいと思います。日本としても、テロ対策、中東情勢、ウクライナ情勢等、欧州が特に関心の高い問題に対して積極的に貢献していく考えであります。

 サミットの舞台となる伊勢志摩では、日本の美しい自然や伝統や文化にも、是非触れていただきたいと思います。

 今月末のG7伊勢志摩サミットにデービッドをお迎えできることを楽しみにしております。