データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] ヤーノシュ・ペーテル・ハンガリー人民共和国外務大臣の訪日に際しての共同コミュニケ

[場所] 
[年月日] 1973年4月10日
[出典] 外交青書18号,103−104頁.
[備考] 
[全文]

 ペーテル・ハンガリー人民共和国外務大臣は,日本国政府の招待により,随員と共に,1973年4月6日より同月11日まで日本国を公式訪問した。

 ペーテル外務大臣は,東京,大阪および京都を訪問した。

 ペーテル外務大臣は田中総理大臣,中村衆議院議長,河野参議院議長,三木国務大臣および中曽根通産大臣と会見した。

 ペーテル外務大臣は,大平外務大臣と会談した。友好的な雰囲気の下に行なわれたこの会談において,日本・ハンガリー両国間の諸問題および両国が関心を有する国際問題について討議が行なわれた。

 大平外務大臣は,アジア情勢についての意見を表明した。

 これに対し,ペーテル外務大臣は欧州における進展,就中欧州安全保障協力会議準備会議についての意見を表明した。

 両外務大臣は近年両国関係が多くの面で進展していることに満足の意を表し,あらゆる分野における両国関係をさらに発展せしめるよう互に努力することにつき意見の一致を見た。

 両外務大臣は,両国間の経済貿易関係が順調に発展していることに満足の意を表した。両外務大臣は,この分野における新たな可能性について検討し,かかる可能性をさらに拡大するよう互に努力すべきことにつき意見の一致を見た。

 両外務大臣は両国間の文化交流を一層促進することを希望し,4月9日,両国政府間の文化交流に関する書簡を交換した。

 両外務大臣は,ペーテル外務大臣の今回の訪問が両国間の友好関係と相互理解を一層増進するために大いに貢献したことにつき意見の一致を見た。

 ペーテル外務大臣は,ハンガリー政府の名において田中総理大臣および大平外務大臣をハンガリーへ招待した。右招待は感謝の意をもつて受諾された。訪問の時期はおつて外交経路を通じて取り決められる。