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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 天皇皇后両陛下の中国御訪問についての渡辺主席随員所感

[場所] 
[年月日] 1992年10月28日
[出典] 日中関係基本資料集、798−799頁.
[備考] 
[全文]

 天皇皇后両陛下は、つつがなく中国御訪問を終えられ、帰国の途につかれました。

 この度の両陛下の御訪問は、日中両国民の相互理解と友好を促進する上で、誠に意義深いものでありました。随員一同を代表し、心からお喜び申し上げます。

両陛下の御訪中は、日中間の永きにわたる交流の歴史において、今回が初めてのことでありましたが、日中両国民間の相互理解と友好を、強く願われる両陛下の率直なお気持ちが、中国国民によって広くかつ深く受け入れられ、両国民間の心の交流が更に深められました。両陛下の御訪中は、まさに、日中両国民が良き隣人として将来に向かって歩む重要な契機となりました。

 両陛下は、全ての御日程を通じて、出来る限り多くの中国の人々との触れ合いを大切になさいました。このような両陛下のお姿は、中国の人々によって強い共感と感動をもって受け止められました。また、両階下は中国各地で心のこもった温かい歓迎を受けられましたが、これらを通じて、広範な中国国民が新憲法下での我が国の皇室のお姿、並びに平和国家日本の努力を直接理解する機会を得ましたことは、将来の日中両国民間の相互理解を更に深めていく上で、誠に堅固な礎となるでありましょう。

 短い御滞在ではありましたが、両陛下は、中国の古い文化と新しい発展の息吹に触れられ、ことのほか中国の旅を楽しまれた御様子でした。これは、我々随員一同にとっても慶賀にたえません。

 最後に首席随員という大役を無事務め終えることが出来ましたことは、誠に光栄の至りであり、中国側より示された心のこもった御接待に対し改めて厚くお礼申し上げます。