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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 日本政府が「台湾条項」に対する統一見解

[場所] 東京
[年月日] 1972年11月8日
[出典] 国会会議録検索システム
[備考] 衆議院予算委員会
[全文]

 大平国務大臣

 今月二日の矢野委員の御質問は、台湾条項の存在は中国に対する内政干渉にならないかというとでございました。

 ここにいう台湾条項でございますが、これは、一九六九年当時の両国首脳の台湾地域の情勢に対する認識を述べたものでありますが、その後情勢は大きな変化を遂げており、すでに申し上げましたとおり、この地域をめぐる武力紛争が現実に発生する可能性はなくなったと考えられますので、かかる背景に照らし、右の認識が変化したというのが政府の見解でございます。

 矢野委員の、しかし、その条項の存在が内政干渉にならないかということにつきまして、この際、政府の見解を申し上げたいと思います。

 わが国は、台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部であるとの中華人民共和国政府の立場を十分理解し、尊重するとの立場をとっております。したがって、中華人民共和国政府と台湾との間の対立の問題は、基本的には、中国の国内問題であると考えます。わが国としては、この問題が当事者間で平和的に解決されることを希望するものであり、かつ、この問題が武力紛争に発展する現実の可能性はないと考えております。

 なお、安保条約の運用につきましては、わが国としては、今後の日中両国間の友好関係をも念頭に置いて慎重に配慮する所存でございます。