データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 第七回日加閣僚委員会総理主催午餐会における三木総理大臣挨拶

[場所] 
[年月日] 1975年6月24日
[出典] 三木内閣総理大臣演説集,162ー163頁.
[備考] 参考資料
[全文]

 マッカッケン外務大臣閣下、閣僚各位、御来臨の皆様

 私は、第七回日加閣僚委員会に出席のカナダ閣僚はじめ皆様方に対し、日本国民並びに日本政府を代表して、心から歓迎の意を表したいと思います。

 日本とカナダは、世界平和の確立と人類の繁栄を希望するという共通の目的によって結ばれております。両国の閣僚が五千マイルを越える太平洋にかかる友情のかけ橋を渡って、定期的に相互を訪問し合い、両国が直面する二国間及び多国間の諸問題につき親しく自由なふん囲気の中で話合いを行うことは、日加関係の基盤を一層幅広く、かつ、深みのあるものとする上できわめて有意義なことであると確信しております。私自身も、一九六六年十月オタワで開催された第四回閣僚委員会に通商産業大臣として出席いたしましたが、その際、外交、経済等政府の各分野における直接責任者間の個人的接触が両国間の相互理解と信頼にとっていかに貴重なものか痛感したのを憶えております。私は、日加閣僚委員会が今後ともかかる重要な役割を果し続けていくことを強く希望する次第であります。

 私は、一九六七年外務大臣として再度訪加しましたが、その際、ベトナム問題の早期解決に両国政府が如何に協力できるかよく話し合いました。

 また、国際政治の面で両国の協力が如何に重要であるかということを痛感いたしました。

 私は、カナダ国民及び政府が、常に国際協調の精神の下に世界平和と繁栄の建設のために貢献せんとの多大の努力を払われていることに敬意を表します。私は、幾多の困難な課題をはらむ現下の国際情勢において、日加両国がその共通の基盤及び相互依存関係を十分認識し、長期的展望及び世界的視野に立って、人類の平和と安寧のために相携えて努力してゆくことを強く希望するものであります。

 最後に、私は、昨年九月の日加共同声明に謳われたトルードー首相の訪日が、できるだけ早い時期に実現することを切に希望していることを、この機会に表明いたしたいと思います。

 御来臨の方々の御健康と御繁栄並びに日加友好協力関係の飛躍的発展を祈念して乾杯したいと思います。