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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 海運業所得に対する課税の相互免除に関する交換公文

[場所] (訳文)
[年月日] 1961年12月20日
[出典] 外交青書6号,36−37頁.
[備考] 
[全文]

(日本側書簡)

 書簡をもって啓上いたします。本大臣は、海運業から生ずる所得に対する二重課税を回避し、かつ、日本国とアルゼンティン共和国との間の通商を促進するため、日本国政府は、アルゼンティン政府と次の取極を行なう用意があることを閣下に通報する光栄を有します。

(1) 日本国政府は、千九百二十四年の法律第六号及びその関係命令に従い、アルゼンティン政府、アルゼンティンに居住し日本国に居住しない個人、又はアルゼンティンの法令に基づいて設立され、かつ、アルゼンティンで管理支配されている法人その他の団体がアルゼンティンで登録された船舶により営む海運業から生ずる所得について、日本国で課される所得税、法人税及び事業税を免除する。

(2) アルゼンティン政府は、千九百六十年に修正された法律第一一六八二号第十条に基づき与えられた権限を行使して、日本国に居住しアルゼンティンに居住しない個人、又は日本国の法令に基づいて設立され、かつ、主たる事務所が日本国にある法人その他の団体が営む海運業から生ずる所得及び収入について、その海運業が日本国で登録された船舶により営まれることを条件として、アルゼンティン共和国で課される所得税及び収入に対するその他のすべての租税を免除する。

(3) 「海運業」とは、船舶の所有者又は用船者が営む人及び貨物の運送事業をいう。

(4) (1)及び(2)に定める租税の免除は、この取極が行なわれる暦年の一月一日以後に開始する各課税年度において生ずる所得及び収入に適用する。

(5) この取極は、次の場合に効力を失う。

 (a) いずれか一方の政府が、他方の政府に対し、六箇月の書面による予告を行なうことによりこの取極を終了させる場合

 (b) (1)及び(2)に定める租税の免除が(1)及び(2)にいう法律の改正又は廃止により日本国又はアルゼンティンにおいて実施されなくなった場合

 本大臣は、さらに、前記の取極がアルゼンティン政府にとって受諾しうるものであることを確認されるよう閣下に要請する光栄を有します。

 本大臣は、以上を申し進めるに際し、ここに重ねて閣下に向かって敬意を表します。

(アルゼンティン側書簡)

 書簡をもって啓上いたします。本大臣は、本日付けの閣下の書簡を受領したことを確認するとともに、閣下の書簡に定められた次の取極がアルゼンティン政府にとって受諾しうるものであることを確認する光栄を有します。

(1)

(2)

(3)

(4)

(5)

 本大臣は、以上を申し進めるに際し、ここに重ねて閣下に向かって敬意を表します。