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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 移住及び植民に関する日本国とブラジル合衆国との間の協定の適用に関する了解に関する交換公文

[場所] リオデジャネイロ
[年月日] 1960年11月14日
[出典] 外交青書5号,295−296頁.
[備考] 訳文
[全文]

(日本側書簡)

第一三二(ME/六〇)号

 書簡をもって啓上いたします。本使は、本日署名された移住及び植民に関する日本国とブラジル合衆国との間の協定に関し、同協定の適用に関して両政府間で合意された次のとおりの了解を確認する光栄を有します。

1 ブラジル合衆国外務省は、必要なときはいつでも、日本人移住者の定着に主として充てられる計画植民地の設定に関して日本国政府が表明する希望に対し、移植民院が特別の考慮を払うようにあっせんする。同化を容易にするため、計画植民地においては、法律に定められたブラジル人のための三十パーセントの比率が守られなければならない。

2 ブラジル合衆国政府は、日本人移住者に対し、他の移住者にすでに与えられているか又は将来与えられることがある待遇(ポルトガル人に保障された特恵を除く。)よりも決して不利でない待遇を保障し、かつ旅費のために受けた融資の返済又は日本国に残留している家族若しくは経済的に移住者に依存して生活している者に対する援助が可能となるように、ブラジル合衆国の関係法令の規定に従ってその貯蓄を本国に自由に送金することを許可する。

 本使は、閣下がブラジル合衆国政府が前記の了解に同意することを確認されれば幸いであります。その場合には、この書簡及び閣下の返簡を両政府間の合意を構成するものとみなすことといたします。

 本使は、以上を申し進めるに際し、ここに重ねて閣下に向かって敬意を表します。

 千九百六十年十一月十四日にリオ・デ・ジャネイロ市で

                       日本国特命全権大使

                              安東義良

  外務大臣

     オラシオ・ラフェール閣下

(ブラジル側書簡)

 書簡をもって啓上いたします。本大臣は、本日署名された移住及び植民に関するブラジル合衆国と日本国との間の協定に関し、同協定の適用に関して両当事国政府の間で合意された次の了解を確認するよう要請された本日付けの閣下の書簡第一三二(ME/六〇)号を受領したことを確認する光栄を有します。

 1 (日本側書簡1と同文)

 2 (日本側書簡2と同文)

 本大臣は、閣下の前記の書簡に対する回答として、ブラジル合衆国政府が前記の了解に同意することを確認し、かつ、同書簡及びこの書簡を本件に関する両政府間の合意を構成するものとみなします。

 本大臣は、以上を申し進めるに際し、ここに重ねて閣下に向かって敬意を表します。

  千九百六十年十一月十四日にリオ・デ・ジャネイロ市で

                        オラシオ・ラフェール

  日本国特命全権大使

     安東義良閣下