データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] テロ資金供与に関するG20の行動計画

[場所] オタワ
[年月日] 2001年11月17日
[出典] 外務省
[備考] 
[全文]

・我々は、世界の平和と安全の名の下に、テロ資金の供与を行わせないようにすることを決意。

・テロ資金供与に対する闘いは、G20及びより広い国際社会が共有する責務。

・テロリスト及びその関係者による金融システムの利用を断ち切り、非公式な銀行ネットワークの濫用を止めるための包括的な行動計画を採択。

・国連がテロ資金との闘いに不可欠とした措置を迅速かつ断固として実施。テロリストによる金融システムの利用を封鎖。

・国際金融機関、金融活動作業部会(FATF)、金融安定化フォーラム(FSF)及び関連する国際機関とともに、テロ資金、マネロン及び金融規制監督に関する国際基準遵守の促進を通じ、金融システムの濫用とその健全性への脅威の防止に取り組む。

・テロ資金供与に関するFATF臨時会合の結論を歓迎。特に、我々は、国内及び国際的な情報共有能力を強化する。

・テロ資金供与を止める国際的な取組みに、全ての国が参加するよう慫慂し、必要なリソースが不足している国に対し、この行動計画に従って技術支援を行う。

・これらのコミットメントの遂行において、我々は以下の具体的な措置に合意。

テロリストの資産凍結

・関連する国連安保理決議、特に1373号を実施。

・各国の権限の範囲で、テロリストや関係者の資産を凍結し、国際金融システムの利用を封鎖。

・法令に沿って、資産凍結の対象のテロリストの一覧と凍結資産額を公表。

国際基準の実施

・国連テロ資金供与防止条約を、可能な限り早期に批准・実施。

・国連国際組織犯罪条約を批准。

・IMF、世界銀行FATF、FSF、バーゼル銀行監督委員会や他の国際機関等とともに、金融システム濫用と闘うための国際基準の採択、実施及び評価を促進。FATFの8つの特別勧告の実施に関して、FATFによる協調の申し入れを歓迎。

国際協力:情報交換とアウトリーチ活動

・国際的な情報交換に関する協力を強化。情報交換促進のために必要な措置を速やかに実施。

・金融情報部門(FIU)を可能な限り早期に設置し、エグモントグループに加盟。

・それぞれの地域内におけるテロ資金対策を促進し、他の諸国に対し行動計画への参加を勧奨。

・地域FATF機関に対し、テロ資金対策を任務に含めることを求める。

技術支援

・テロ資金供与及びマネロンと闘うための法整備等に支援が必要な国に、可能な場合に、技術支援を提供。

・IMF、世界銀行等の機関に対し、既存プログラム等の拡充を含む技術支援の提供を要請。

コンプライアンスと報告

・国際基準の実施・遵守の促進、テロ資金対策に関する各国の法制度等に関する情報共有のため、国連テロ対策委員会の活動を支持。また、国際金融機関、FATF及び他の関連国際機関を通じたサーベイランス・自発的な自己審査の実施も積極的に支援。

・FATFによる、8つの特別勧告の自己審査への参加の呼びかけに積極的に対応。

・FSFに対し、次回会合においてテロ資金対策への金融監督当局の対応に関する作業を要請。

・金融機関・市民がテロ資金供与や他の金融犯罪に対する措置を遵守することを確保し、そのための支援をする。

・地域FATF機関がFATFの世界的な自己審査に積極的に貢献するよう促す。

・次回大臣会合において本行動計画の進展をレビュー。