データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 生物多様性条約ポスト2010年目標に関する日本提案

[場所] 東京
[年月日] 2010年1月7日
[出典] 環境省
[備考] 
[全文]

1 中長期の目標(2050年){前15文字網掛けあり}

 人と自然の共生を世界中で広く実現させ、生物多様性の状態を現状以上に豊かなものとするとともに、人類が享受する生態系サービスの恩恵を持続的に拡大させていく。

2 短期の目標(2020年){前14文字網掛けあり}

 生物多様性の損失を止めるために、2020年までに、

1 生物多様性の状態を科学的知見に基づき地球規模で分析・把握する。生態系サービスの恩恵に対する理解を社会に浸透させる。

2 生物多様性の保全に向けた活動の拡大を図る。将来世代にわたる持続可能な利用の具体策を広く普及させる。人間活動の生物多様性への悪影響を減少させる手法を構築する。

3 生物多様性の主流化、多様な主体の参画を図り、各主体により新たな活動が実践される。

3 個別目標{前6文字網掛けあり}

(1) 生物多様性への影響が間接的で広範な主体に関連する目標{前32文字網掛けあり}

 個別目標A:生物多様性の保全と持続可能な利用に対する多様な主体の参加を促進する。

 個別目標B:開発事業、貧困対策と生態系の保全を調和させるための手法を普及・確立させる。

(2) 生物多様性への影響が直接的で対象が限定される目標{前31文字網掛けあり}

 個別目標C:生物資源を用いる農林水産業などの活動において、持続可能な方法による生産の比率を高める。

 個別目標D:生物多様性への脅威に対する対策を速やかに講じる。

(3) 生物多様性の状態それ自体を改善するための目標{前26文字網掛けあり}

 個別目標E:生物種を保全する活動を拡充し、生態系が保全される面積を拡大する。

(4) 生物多様性が人間にもたらす恩恵に関する目標{前26文字網掛けあり}

 個別目標F:生態系サービスの恩恵を持続的に享受するための仕組を整備し、人類の福利向上への貢献を図る。

(5) 上記の目標を効果的に実現するための目標{前23文字網掛けあり}

 個別目標G:伝統的知識の保護とABS(遺伝資源へのアクセスと利益配分)の取組を促進するための体制を整備する。

 個別目標H:地球規模で、生物多様性及び生態系サービスの状態を的確に把握し、その結果を科学的知見に基づき分析評価するとともに、それに対する認識を広め、理解を促進する。

 個別目標I:生物多様性の保全と持続可能な利用を達成するための資金的、人的、科学的、技術的な能力を向上させる。

4 個別目標ごとの達成手法、Ex、数値指標{前20文字囲み線あり}

 各国共通に設置する3の個別目標ごとに、達成手法、Ex、数値指標を以下のとおり提示する。

・「達成手法」は、各国、各地域、各組織の実態に応じて実施、適用するという前提の下、全締約国間でのCOP決定を目指すもの。

・「Ex」は、以下の三つの手法からなる「達成手法」の具体的な例示であり、他の締約国からの理解・支持の程度に応じて、全締約国間でのCOP決定を目指すもの。

1 我が国(政府、自治体、NGO等)の先進事例で、他の先進国の実施も推奨されるもの。

2 我が国のODA事業等により途上国での実施を資金面、技術面で支援し得るもの。

3 国際機関、国際的NGO等による国際的な取組が推奨されるもの。

・「数値指標」については、各国、各地域、各組織の実態に応じて、目標値として設定すること、又は目標の達成状況の測定のために活用することを前提にして、全締約国間でのCOP決定を目指すもの。

 個別目標A:生物多様性の保全と持続可能な利用に対する多様な主体の参加を促進する。{前40文字囲み線あり}

 達成手法A1{前6文字囲み線あり} 国際機関、国、地方公共団体、企業、学識経験者、NGO、市民、先住民等の参画・協働・活動を推進する。

 Ex. 1各主体の生物多様性戦略・自主的行動計画等の作成の推進、2 主要な関係者による分野別・横断的計画やプログラム、3 政策への生物多様性関連事項の統合、4 生態系に配慮した都市計画の推進、5 多様な主体間の協働活動の推進、6 生物多様性の保全を促す各種ガイドライン、7 生物多様性に貢献する技術の開発、普及

 数値指標A1{前6文字楕円の囲み線あり} 生物多様性戦略の策定数・改定数、企業・NGO等の各主体が自主的に又は協力して策定・実施する行動計画等の策定数・改定数

 達成手法A2{前6文字囲み線あり} 都市における人間活動による生態系への悪影響の緩和、都市住民に対する生態系サービスの提供など、生物多様性に関する地方公共団体の施策を推進する。

 Ex. 1 廃棄物の発生抑制対策、2 3R(Reduce,Reuse,Recycle)の取組の推進、3 下水処理の推進、4 森林環境税、各種募金や協力金などの生態系サービスに対する支払い、5 自治体レベルでの緑化の義務付け制度、6 「身近な生物生息生育空間の再生」(都市住民が自然に親しむ場の提供)、

 数値指標A2{前6文字楕円の囲み線あり} 生物多様性の基本的な方針及び施策に関する条例数

 達成手法A3{前6文字囲み線あり} 生物多様性の状況に関する普及啓発、情報共有を行い、生物多様性の保全と持続可能な利用に向けた住民・消費者の行動を促す。

 Ex. 1 行動リストの作成、2 生物多様性に配慮した製品の購入の推進、3 各種の普及啓発活動、4 情報共有体制の構築

数値指標A3{前6文字楕円の囲み線あり} 生物多様性に配慮した行動を行う人の割合

 達成手法A4{前6文字囲み線あり} 環境教育やそれを発展させた持続可能な開発のための教育の推進

 Ex. 1 学校教育における生物多様性に関わる教育の実施

 2 地域における持続可能な開発のための教育の取り組み

個別目標B: 開発事業、貧困対策と生態系の保全を調和させるための手法を普及・確立させる。{前44文字囲み線あり}

 達成手法B1{前6文字囲み線あり} 貧困対策において生物多様性へ配慮するとともに、生物多様性の持続可能な利用を通じた貧困対策を実施する。

 Ex. 1 開発支援に係る国際機関とCBD等との協調、2 貧困層への生態系サービスの維持・向上のための開発援助の実施、3 国連ミレニアム開発目標(MDGs)の貧困対策と生物多様性保全の調和、4 生態系の維持・管理への貧困層の参画

 達成手法B2{前6文字囲み線あり} 生物生息域の再生・創出など生態系にプラスの効果をもたらす社会資本を整備する。

 Ex. 1 生物の生息域を創出する河川事業、2 様々な環境技術を活用した河川・湖沼の水質浄化、3 生物多様性に配慮した港湾環境の形成

 数値指標B2{前6文字楕円の囲み線あり} 生物生息環境を再生・創出した社会資本整備の件数

 達成手法B3{前6文字囲み線あり} 開発行為にあたり、生物多様性の保全への配慮がなされるよう、各種方策を実施する。

 Ex. 1 事業の特性に応じた戦略的環境影響評価の推進、2 ミティゲーション(回避・低減・代償)の適切な実施、3 開発援助に際しての生態系配慮の実施

個別目標C:生物資源を用いる農林水産業などの活動において、持続可能な方法による生産の比率を高める。{前50文字囲み線あり}

 達成手法C1{前6文字囲み線あり} 生態系に与える影響に配慮した農業生産技術の普及を図る。

 Ex. 1 生態系に配慮した効率的、効果的な病害虫の防除の普及推進、2 有機農業等生態系に配慮した農業生産方法の特定・普及、3 生態系に配慮した農産物の認証・表示、4UNDPのグリーンコモディティー・サプライチェーン(生物多様性などに配慮した農産物の流通を促進する取組)

 数値指標C1{前6文字楕円の囲み線あり} 生態系に与える影響に配慮した農業生産に取り組む農業者数

 達成手法C2{前6文字囲み線あり} 生物の生息環境に配慮した農地及びその周辺地域の環境を創出する。

 Ex. 1 生物の生息・移動を可能とするような水田周辺の水路及び湿地の整備、2 生態系に配慮した水田や水路等の整備技術の開発・普及

 達成手法C3{前6文字囲み線あり} 森林資源の持続可能な利用を図る。

 Ex. 1 森林の整備・保全に関する計画(区画設定と区画ごとの規範)の策定と徹底、2 持続可能な森林経営の基準・指標(持続可能な森林経営と見なされるための基準とそれを測定するための指標)の普及、3 違法伐採対策(木材の合法性証明方法の設定と合法木材利用の推奨)

 数値指標C3{前6文字楕円の囲み線あり} 森林の総蓄積、森林の整備・保全に関する計画の策定面積・箇所数、

 達成手法C4{前6文字囲み線あり} 持続可能な漁業生産と漁場環境の保全を促進する。

 Ex. 1 資源の状況に応じた各種資源管理措置の組合せ、2 養殖漁場における水質改善のための漁業者の取組、3 藻場・干潟の造成等による水産資源の生育環境の保全・創造

個別目標D:生物多様性への脅威に対する対策を速やかに講じる。{前31文字囲み線あり}

 達成手法D1{前6文字囲み線あり} 侵略的外来種について適切な対策を講じる。

 Ex. 1 侵略的外来種の経路の制御、2 外来種の影響を抑えるための管理

 達成手法D2{前6文字囲み線あり} 気候変動の「緩和・適応」について適切な対策を講じる。

 Ex. 1 CO2を増加させる生態系の消失・劣化の防止、2 生物多様性に配慮したバイオマスの活用の推進、3 気候変動への適応のための脆弱な生態系における保全・再生の実施、回廊確保などの生態系ネットワークの構築、4気候変動枠組み条約等の生物多様性に関連する国際的枠組みと生物多様性条約の連携

 達成手法D3{前6文字囲み線あり} 有害化学物質、その他の汚染物質を適切に管理し、その生物多様性への影響を最小化する。

 Ex. 有害化学物質等の製造・使用・排出規制の徹底

 達成手法D4{前6文字囲み線あり} 絶滅のおそれのある種に対する脅威を軽減する。

 Ex. 1 種の捕獲殺傷・採取損傷の禁止、2 保護増殖事業の実施、3 国際及び国内取引の規制

 数値指標D4{前6文字楕円の囲み線あり} 絶滅危惧種の個体数、保護対象種の数、生息域外保全の実施数、保護区の面積、保護増殖事業計画の策定された種の数

個別目標E: 生物種を保全する活動を拡充し、生態系が保全される面積を拡大する。{前40文字囲み線あり}

 達成手法E1{前6文字囲み線あり} 陸域及び海域における生態系保全の手法として、国有地化や、国の直接管理に加えて、地域の多様な主体と連携協力した保護管理システムに基づく適切な保護区の面積を拡大、管理の強化を図る。

 Ex. 1 陸域及び海域における地域の多様な主体と連携・協力する保護管理システムの普及とその方法による保護区の指定、2 地方自治体による保護区の指定

 数値指標E1{前6文字楕円の囲み線あり} 保護区の面積・数、単位面積当たりの管理に携わる人数

 達成手法E2{前6文字囲み線あり} 生態系の分断及び縮小を解消し、生態系の健全性を確保するために、その連結ルートの設定や保護区の適切な配置により、生態系全体としての広域化・ネットワーク化を図る。

 Ex. 1 河川における生物生息・生育空間の連続性の確保、2 流域内の関係主体の連携、3 国土、地域、市町村等の各レベルにおける関係主体の連携・調整を通じた回廊設置による生態系保全地域の連結、4 渡り鳥フライウェイの保全、5生物生息域としての陸域と海域の相互作用の確保と理解向上

 数値指標E2{前6文字楕円の囲み線あり} 連結・ネットワーク化された生態系保全地域・保護区の面積

 達成手法E3{前6文字囲み線あり} 森林を適切に整備・保全し、また、新規植林を生物多様性に配慮した形で行うことにより森林面積の減少や森林資源の劣化傾向を抑止し、回復させる。

 Ex. 1 森林の整備・保全に関する計画(区画設定と区画ごとの規範)の策定と徹底、2 持続可能な森林経営の基準・指標(持続可能な森林経営と見なされるための基準とそれを測定するための指標)の普及

 数値指標E3{前6文字楕円の囲み線あり} 森林の総面積、総蓄積、森林に生息・生育する野生動植物の現存種数、森林率

 達成手法E4{前6文字囲み線あり} 排水の適切な処理機能の強化、海域・河川・湖沼及び流域における水質改善対策の実施などにより生態系保全を進める。

 Ex. 1 汚水処理施設整備の推進、2 海底の汚泥除去・覆砂の推進、3 河川・湖沼の浄化事業の実施

 数値指標E4{前6文字楕円の囲み線あり} 河川・湖沼・海域の水質

 達成手法E5{前6文字囲み線あり} 生態系の維持のために重要だが、環境変化に脆弱な生態系、特に湿地、サンゴ礁、島嶼の保全・再生活動を重点的に行う。

 Ex. 1 サンゴ礁・湿地・藻場・干潟等の保全・再生の推進

 数値指標E5{前6文字楕円の囲み線あり} 回復された湿地・サンゴ礁等の面積・箇所数、藻場・干潟の創出面積、ラムサール条約登録湿地の数及び面積、指標種の生息数

 達成手法E6{前6文字囲み線あり} 都市地域における生物多様性に配慮した緑地面積の拡大及び生物の生息生育空間の創出を進める。

 Ex. 1 都市における緑地の保全・創出及び緑化推進

 2 都市における生態系ネットワーク計画の策定

 数値指標E6{前6文字楕円の囲み線あり} 都市における緑地の面積

個別目標F: 生態系サービスの恩恵を持続的に享受するための仕組を整備し、人類の福利向上への貢献を図る。{前52文字囲み線あり}

 達成手法F1{前6文字囲み線あり} 生物多様性及び生態系サービスの損失による経済的な損害についての研究の成果を踏まえ、生態系サービスの価値の把握・評価に努めるとともに、これらの手法になじまない精神的・文化的価値なども含めて、その価値に対する理解を一般国民の間で深める。

 Ex. TEEB(生態系と生物多様性の経済学)等生態系サービスの経済価値化に関する取組の推進

 数値指標F1{前6文字楕円の囲み線あり} TEEB等を通じて把握される生態系サービスの価値

 達成手法F2{前6文字囲み線あり} 幅広い主体が生態系サービス維持のために協力・貢献するための仕組を検討し、推進する。

 Ex. 1 森林環境税、各種募金や協力金などの生態系サービスに対する支払いの仕組の普及、2 適切な農業生産活動等の維持を通じた生態系保全に資する仕組み、3 農村における生態系保全に資する共同活動、4 森林保全に対する企業やNPO等の自主的な貢献活動、5SATOYAMAイニシアティブによる生態系サービス維持のための活動の推進

 達成手法F3{前6文字囲み線あり} 二次的自然環境の持続可能な利用など、生態系サービスの恩恵を享受するとともにその保全を図るための活動を生物多様性の保全に貢献してきた文化や精神的側面を尊重しつつ更に促進させる。

 Ex. 1 SATOYAMAイニシアティブ、2 エコツーリズム・グリーンツーリズム

 数値指標F3{前6文字楕円の囲み線あり} 持続可能な利用が達成される二次的自然環境の事例数・規模(面積、参加者数)

個別目標G: 伝統的知識の保護とABS(遺伝資源へのアクセスと利益配分)の取組を促進するための体制を整備する。{前55文字囲み線あり}

 達成手法G1{前6文字囲み線あり} ABSの国際レジームの着実な実施確保のための国内政策を充実させる。

 Ex. 途上国の国内制度整備に係る技術支援

 数値指標G1{前6文字楕円の囲み線あり} ABS国内制度を整備した国の数。

 達成手法G2{前6文字囲み線あり} 利用者・提供者間に対する意識啓発を進め、国内制度の遵守、契約の締結・遵守を促す。

 Ex. 各種啓発措置

 数値指標G2{前6文字楕円の囲み線あり} セミナー等の開催件数、ABSについての認知度

 達成手法G3{前6文字囲み線あり} 遺伝資源の潜在的な価値を引き出し、利用と利益配分を実現させるための方策を充実させる。

 Ex. 1 途上国における遺伝資源探索等の技術協力・研究支援、2 研究開発のための施設整備

 数値指標G3{前6文字楕円の囲み線あり} 途上国に対する遺伝資源探索等の技術協力の案件数

個別目標H: 地球規模で、生物多様性及び生態系サービスの状態を的確に把握し、その結果を科学的知見に基づき分析評価するとともに、それに対する認識を広め、理解を促進する。{前87文字囲み線あり}

 達成手法H1{前6文字囲み線あり} モニタリング手法の改善と体制の整備を通じて、生物多様性の状態を的確に把握し、その結果の共有・普及を促進する。

 Ex. 1 GEO-BONの推進、2 「地球地図」の活用、3 人工衛星など高度な技術を用いたモニタリング手法の充実、4 自然環境保全基礎調査、水辺の国勢調査などの長期的な生態系モニタリングの実施、5 GTI(世界分類学イニシアティブ)のための人材育成、6 市民による継続的なモニタリングの活用

 達成手法H2{前6文字囲み線あり} 生物多様性の状況及び生態系サービスの評価に関する研究を政策担当者に提示し、政策に反映させる。

 Ex. IPBES(生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学プラットホーム)等の科学と政策の連携体制の推進

 達成手法H3{前6文字囲み線あり} 生物多様性の状況把握が十分でなかった領域において情報収集と研究を推進する。

 Ex. 海洋における情報収集技術の開発と調査の推進

個別目標I: 生物多様性の保全と持続可能な利用を達成するための資金的、人的、科学的、技術的な能力を向上させる。{前55文字囲み線あり}

 達成手法I1{前6文字囲み線あり} GEF等の途上国支援資金について、戦略計画上の重要分野に集中させるなどにより資金提供の充実を図る。

 Ex. GEFと生物多様性条約との緊密な情報交換

 達成手法I2{前6文字囲み線あり} 国際的な支援が必要とされる国、地域に対する効果的、効率的な二国間支援を実施する。

 Ex. 1 支援機関間の調整・情報交換の促進、2 民間の自主的なプロジェクトベースの資金協力

 達成手法I3{前6文字囲み線あり} 開発途上国の自助努力を支援するための人材育成、人材派遣、技術供与等に協力する。

 Ex. 1 生物多様性に係る技術協力の実施、2 民間の自主的なプロジェクトベースの技術協力の推進支援の推進

 達成手法I4{前6文字囲み線あり} 開発途上国、先進国、国際機関等が連携したネットワークにより各国間の情報共有・連携を強化する。

 Ex. 1 国際水田・水環境ネットワーク、2 国際サンゴ礁イニシアティブ 3 東アジア・オーストラリア地域フライウェイ・パートナーシップ、4 生物多様性のためのローカルアクション、5 DIVERSITAS(生物多様性科学国際共同プログラム)

 数値指標I4{前6文字楕円の囲み線あり} 国際会議等の開催回数・参加国数

5.目標の実施、報告、見直し

(1)実施

 各締約国は本目標を踏まえ、生物多様性国家戦略を策定または改定を行う。その際、締約国の状況に応じて、可能な限り本目標の数値指標を盛り込む。

(2)報告

 各締約国は、国別報告書の提出に加えて、国家戦略に盛り込まれなかった数値指標を含め、本目標の数値指標を用いた進捗状況を定期的に締約国会議に提出する。

(3)見直し

 達成手法、Ex、数値指標は、新たな情報や技術の利用可能性に応じて、追加、修正などの見直しを行う。

 2020年には個別目標の達成状況の評価を行い、今回定めた2050年までの目標達成に向けた、2030年までの新たな目標の策定を行う。