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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 大韓民国政府と中華人民共和国政府との職業訓練の協力事業に関する約定

[場所] ソウル
[年月日] 1997年5月23日署名、発効
[出典] http://www.mofat.go.kr/ko/division/jo_treaty_list.mof?ipage=&b_code=treaty_1&div_m_code=NN,告示311号
[備考] 翻訳 金淑賢
[全文]

大韓民国政府と中華人民共和国政府(以下、「締約当事者」とする)は、両国間の相互友好関係を基盤にして、1992年10月30日大韓民国政府と中華人民共和国政府との間で締結された科学・技術協力に関する協定に従って、韓中職業訓練協力事業(以下、「事業」とする)を通じた、両国間の職業訓練及び人材開発分野での緊密な協力が両国の発展に役立つということを認識して、次のように合意した。

第1条

1.この事業の目的は、韓中両国間の親善と友好関係を求め、職業訓練及び技能検定及び技能競技分野での韓国の経験と方法を中国の伝授して、就業及び職業訓練分野における中華人民共和国の技術指導と政策開発能力を向上させることにある。

2.この事業の施行期間は1997年5月23日から2000年12月31日までにする。

3.この事業は中国就業訓練技術指導センター(以下、「センター」とする)を通じて遂行する。

4.このセンターの設立のための事業は「韓中職業訓練協力事業」とする。

第2条

1.大韓民国政府と大韓民国の法令に従って、1997年〜2000年までの4年間、無償でアメリカドルで1000万ドルを供与して、職業訓練関連の機資材を支援し、職業訓練関連の中国側関係者を招請して調査及び研修をさせ、韓国側顧問を中国に派遣して諮問指導を行う。

2.中華人民共和国政府はセンターの設立と運営に対して責任を持ち、中華人民共和国の法令に従って、敷地購入、センター設立と事務所及び事務設備の維持及び教育関連資材などの費用としてアメリカドル850万ドルを支援する。

3.事業の施行及び資金の使用に関する細部計画は、1997年5月5日北京で韓国国際協力団と中華人民共和国労働部の間で署名された「韓中職業訓練協力事業に対する合意録」(以下、「合意録」とする)に従う。

4.事業終了後、センターは中国側により運営され、両国間の労働分野での交流及び協力のためのかけ橋的な役割を担う。

第3条

同事業への締約当事者の供与額の細部的な支出内訳は合意録の規定に従う。

第4条

1.大韓民国政府は、中華人民共和国に長期滞留する首席顧問1名を含めて、滞留期間1年以上の長期顧問及び滞留期間3ヶ月から6ヶ月の短期顧問を派遣する。

2.この約定の締結後派遣される首席顧問は、韓国側の首席管理者として事業と関連する中国側との業務協議を行い、他の顧問を管理する責任を持つ。

第5条

1.大韓民国政府は中国側研修生及び調査団の訪韓招請を周旋する。

2.調査及び研修プログラムの効果を高めるため、各調査団または研修団が5名以上で構成される場合、中国語を韓国語に通訳する者1人を同伴する。

第6条

1.大韓民国政府は、合意録に規定された通り、事業施行に必要な職業訓練用の機資材と他の関連機資材を無償で提供する。

2.事業期間中、毎年度提供される機資材の目録は、前年度第4四半期に開催される締約当事者間の年次協議において具体的に決定する。

3.この事業のため、大韓民国政府が提供する機資材は韓国産であることを原則とする。ただし、韓国産の機資材が事業の要求する基準や目的に符合しない場合、中国側の要請により中国または第3国の機資材を購買することができる。

4.中華人民共和国政府は、韓国側が提供した機資材が北京に隣接する港湾港口や空港に到着後、荷下ろし費用、現地輸送費用及び保険料を負担し、港湾または空港の使用料、輸入関税及び他の公共費用を免除する。

第7条

同事業に参与する専門家、調査団及び研修人員は、技術協力及び開発のため、共同で努力し、共同開発から得られる結果は両国が共同で利用する。

第8条

1.両国事業施行機関は、当該年度の事業を評価し翌年度の事業推進計画の詳細を協議するために事業期間中毎年第4四半期に実務協議を行う。

2.双方の実務協議団は各3名(団長、実務者及び専門家)で構成する。

第9条

中華人民共和国政府は、中国の現行法令により、この事業のため韓国顧問及びその家族に対して中華人民共和国での出入国の際に必要な便宜を提供しなければならず、この約定の附属書で規定されているように、諸税を免除する。

第10条

1.大韓民国政府の事業遂行機関は外務部傘下の韓国国際協力団とする。韓国国際協力団は、大韓民国労働部と韓国産業人力管理公団との緊密な協調のもとで事業を遂行する。

2.中華人民共和国政府の事業遂行機関は中華人民共和国労働部とする。

3.本条第1項及び第2項の事業遂行機関は、事業施行のための、細部事項に合意し、事業の調整が必要な場合、両国間の協議を経て、細部事項を調整することができる。

第11条

この施行約定の改正及び変更は、外交経路を通じて書面で提議し、締約当事者間の協議と交渉を通じて行われる。

第12条

この施行約定は署名した日付に発効し、締約当事者のうち一方が同約定の満了3ヶ月前に書面で延長要請をしない限り、2000年12月31日まで有効である。

以上の証拠として下記署名者は、各々の政府から正当に権限を委任されてこの約定に署名した。

1997年5月23日ソウルで韓国語、中国語及び英語で各2部ずつ作成した。

解釈上の相違がある場合、英語の本文が優先される。

大韓民国政府を代表して、中華人民共和国政府を代表して

附属書

1.中華人民共和国政府は、1994年10月6日に署名された「韓国国際協力団と中華人民共和国国家科学技術委員会との科学技術協力に関するプログラム」及び中国の現行法令により、韓国顧問が搬入する個人携帯品、家財道具及び業務遂行に関連する装備に対して関税を免除し、中国滞留期間が1年以上である顧問一人あたり1台に限り個人用車両に対する輸出入関税を免除して、大韓民国政府が顧問に支給する給与に対する所得税を免除する。

2.中華人民共和国労働部は韓国顧問の入国及び再入国の査証発給及び事業遂行と関連する旅行の許可取得にかかる手数料を負担する。