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ユースフ=カッタール(Yusuf Qattal)の墓と伝えられているもので,キルキー部落の北方約200メートルにある。附図.H-12
ドームをいただく,十二本柱からなる四角平面の建物で,柱闘には,南の入口と西のミヒラーブの部分とをのぞいて,スクリーンがはめられている。内部には,1基の墓石が横たわっている。この建物の礎石からドームの基部にいたる内外の部分は,すべて,赤い砂岩でつくられており,随処に豊富な文様がほどこされて,整った美しさを示している。この建物は,様式と文様とからみて,ムガル初期に属する公算が大きいので,伝えられるように,933A.H.(1526-27A.D.)に死んだとされる,シェイブ=ユースフ=カッタールの墓である可能性も大いにあるといえよう。なお,この墓建築のすぐ西側にあるモスクは,この墓建築となんらかの関連をもって建てられたものと推定される。第Ⅲ期(?)。
東研.Ⅷ-30;ASI.Ⅲ-217

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