HINDLA MAHAL

 全体としてはT字形の建造物である。南側正面入口に三つ、両側に六つのアーチ形の入口を開く長方形の主室と、北側に東西に長い二層の部屋が付設されている構造をもつ。様式その他からみてこの部分は後代に添加されたという説が有力である。正面や側面のアーチは他の建造物のそれには類をみない高く長い形をしており、その内側のそれぞれ上下にアーチ形のがんを設けている。後補部分の二階は、女性のための部屋だと推定する者もいる。屋根の上にはバトゥルメントを並べる高い壁を備えており、建物全体にさらなる威厳を添えている。天井は崩落してしまったものの、屋根を支えていた壮大なアーチ形を連ねる内部は、明かり取りのアーチ形の窓とともに、往時の王の謁見の荘厳な雰囲気を伝えるに十分である。(荒松雄)

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