JAMA MASJID

 その形態と構造の多くの点でアタラー・アスジドのそれを踏襲しているが、全体が基壇の上に造られ、入口の二重アーチを持つパイロンの形をした堂々たる門やその前の広く高い階段とともに、モスク全体の威容が強調されている。それらをデリーのフィーローズ・シャー治世の一部のモスクの影響だとみるものもいる。しかしながら、広い礼拝主室と両側の礼拝室の大きなアーチ形の天井構造や外部の屋根の形態、さらには内外の壁面の各所に残る豊かな透かし彫りの彫刻などは、ジョゥンプルの他のモスクには見られない特徴といえようか。しかし、パースイー・ブラウンのように、初期のジョゥンプル型モスクの傑作であるアタラー・マスジドと、同じタイプのモスクの最後の壮大な建造物であるこのジャーマ・マスジドに比べて,1世紀近くを隔てた次世代の工匠の技法にある種の「デカダンス」を認める学者もいることを付記しておこう。(荒松雄)

 

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