チョゥカンディーの東側に接している墓

 

 すでに述べたところからもわかるように、カリールッラーのチョゥカンディーは、この聖者の墓を置く本廟を中心としたいわば墓廟コンプレクスである。この八角形の建造物には、その壁面にまったく接するかたちでドームを頂く四角平面の建造物が付設されている。このように、こうした格好一つの墓建築にたの墓建築が付設されている事例は、多くの墓建築を見てきた私にも例外のように思われる。ヤズダニー氏はこの墓建築を「突起物(projection)」と表現しているが、如何なものであろうか。氏は入口の刻文の1086AH年の年次から、この建造物をアウラングゼーブ治世の1658年に造られたものとしており、聖者の縁者の墓所とみている。細い二重アーチを三つ並べた壁面は、デカンの他の建造物の造りと似通っている。

 


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