CHAUKANDI

 

 この建造物の正門は南側にあり、中央の二重のアーチの入口の両側の壁面は二層のアーチで飾られている。入口の道のさらに階段を登ると本廟の建物に至るが、バトゥルメントを巡らせた八角形の二層の建造物で、アーチ形を巧みに使ったその表面の、黒い玄武岩のねじり柱やタイルを平面や枠組みに利用し、矩形やダイヤの形を所々に駆使したその装飾の手法はきわめて優れており、後述する聖者の墓建築本体とともに当代のデカン地方の建築と装飾手法の高さを示す好例といっていいであろう。ヤーズダニー氏も記しているように、この建造物はスルターン・アラーウッディーンの墓を造った建築家と同じ人物と考えられ、この両者の建造物の間には似通う点が多いことが指摘されている。

 しかし、この八角の建造物はいわば本廟を囲う建造物であって、その内部は無蓋の空間を作っていて、そこに屋根を持った通路を通ってドームを頂く四角平面の建造物に達するように造られており、そこの建てられた建造物がこの聖者とその縁者の墓をいれる本廟というわけである。この本廟たる四角平面の建造物は広いアーチ形の入口を持っており、その墓室の内部は八角形を作っている。この聖者の墓を置く本廟の内室を含めて、この建造物の囲壁内には聖者の一族や子供たち、あるいは関係者のさまざなな墓石が残っている。

 

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