MOSQUE & TOMB OF QUTB AL-DIN SHAH

 

 その形態と構造はアーマッド・シャー朝のモスク群と似ているが、このモスクの場合は、太いミーナールを両端に持つ中央の大きいアーチの入口を挟んで、左右両翼に二つずつのアーチ形の入口を備えた規模の大きいつくりである。中央のミーナールの基部は豊かな文様で彩られているが、左右の部分の壁面はその大半が飾り気のない壁のままである。ジャーマ・マスジドと同じく屋根の軒部はすべてバトゥルメントによって縁取りされている。礼拝室の内部に入ると、ドームの内部の彫刻や列柱の雰囲気は他のモスクとほぼ同じで、グジャラートのモスク独特の雰囲気を覚える。(荒松雄)
 クトゥブ・シャー(1451―1459在位)は第五代アーマッド・シャー朝の君主で、ムハンマド・シャーの息子である。このモスクは彼の即位前、父ムハンマド・シャーの治世期に建立されながら、クトゥブ・シャーの名で呼ばれている。なお、モスクの南東部には墓建築がある。そこには,4つの墓石があるが、クトゥブ・シャー自身は祖父アーマッド・シャーの墓建築に葬られている。この墓建築は、12本柱のドームを囲んで廻廊を設ける形ながら、ラーニー・スィプーリーやビビ・アチュト・クーキーの墓建築とは違って、柱の高さはドームも廻廊部も同じ高さである。(深見奈緒子)

 

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