今回は『天方性理』図伝・巻五の第十一節である「終古一息図説」を読み進めた。
読解の要約は以下の通り。
本節は前節を承けて終古側から時間を説く。まず終古とは造化を全うする時間であり、その時間の長さは測ることができない。測ることはできな
いのだが、長いと言わざるを得ない。そしてその長さの中に無限の理、色、気質があることから、多が顕れることになる。しかし主宰の側から言え
ば一息という短い時間の中のできごとにすぎない。また真一の本量には終古もなく、ましてや一息もない。
問題点は、真宰と真一の関係や、一と一切の関係など、未解決な箇所がかなりあった。前節とも照らし合わせつつ、巻五あるいは『天方性理』全
体からのさらなる検討が必要であろう。また二人の先賢の言葉が挙がっているが、これらも同定が難しい。
(文責:佐藤 実)