今回は『天方性理』図伝・巻五の第六節である「名相相依図説」を読み進めた。 読解の要約は以下の通り。
本節では「名」「相」と「体(真一の全体)」との関係を述べる。「体」の顕れたものが「相」であり、「相」の呼称が「名」である。本来、
「名」と「相」とは別ではなく、「相」と「体」も別ではなく同一なのだが、「名」と「相」はそれぞれ
「虚」「幻」である。それでも「名」がなければ「相」は呼びようがなく、「相」がなければ「真一」は顕れないのである。また異なる「相」には
それぞれ真一の全体が含まれているが、「相」の増減変化によって真一の全体が増えたり減ったりすることは決してない。
一方、『真境昭微』一八章「統序」でも「名相相依」について述べられており、本節との関係が指摘された。また「現」の字の用法や、本節と真
一、数一、体一の三一説との関係などが問題となった。
(文責:佐藤 実)