- 日時 : 2000年4月29日(土)14:00〜17:00
- 場所 : 東京大学文学部アネックス
-
参加者 :
- 岸本美緒(東京大学大学院教授)、小島毅(東京大学大学院助教授)、青木隆(東京大学大学院博士課程)、黒岩高(東京大学大学院博士課程)、佐藤実(京都大学人文科学研究所非常勤研究員)、鈴木弘一郎(東京大学大学院博士課程)、中西竜也(京都大学大学院修士課程)、仁子寿晴(日本学術振興会特別研究員)、松下道信(東京大学大学院博士課程)
今回の議題の中心となったのは、次の二点である。
1. 以前より、劉智の『天方性理』の解釈・訳語の決定際には劉智が重要参考文献として挙げている六つの経典・哲学書の参照が不可欠であると指摘されていた。これについては、前回の合宿において国内に将来されている漢訳文献と原典であるペルシャ・アラビア語文献を対照・読解を試みた。しかし、この作業が非常に煩瑣を極め、かつ時間を要することが判明し、年に約 9 回という従来の研究会の運営状況の中でどのような形で組み込むべきかを検討する必要が生じた。検討の際には、1.研究会開催時間を延長する、2.開催回数を増やす等をはじめとして様様な意見が提出されたが、研究会の総意としては以下のような方法をとることに決定した。
- 漢訳文献とその原典であるペルシャ・アラビア語文献の対照・読解については、『天方性理』の読解を行う研究会の開催日の前後に、京都もしくは東京のいずれかにおいて別部会を設け、若干名の有志により作業を進める。
- 作業の成果は、『天方性理』の読解を中心とした従来通りの研究会の際に 30 分から 1 時間を割いて、発表することとし、その内容はホームページ掲載用の報告書に付記する。
2. 第 2 点は研究会の成果に関するもので、以前より当研究会では劉智の『天方性理』の訳注を発表することを目標としていたが、訳注を補完するものとして以下のような成果の発表方法が提案され、採択された。
- 『天方性理』に頻出する術語・用語のインデックス及びグロッサリーの作成。
- 『天方性理』成立の背景となったイスラーム哲学・思想についての解説(論文)。
- 『天方性理』成立時期の中国哲学・思想についての解説(論文)。
(文責:黒岩 高)