イスラーム地域研究5班
研究班5の紹介

イスラームの歴史と文化

 <イスラームの歴史と文化>という研究題目を与えられた 5 班は、研究のより一層の効率化、活性化を図るため1999 年度に大幅な組織替えを行い、3年計画で以下のような研究活動を行っている。

 本班の研究が目指すところは以下の 3 点である。

  1. 「イスラーム地域研究」の 1 班から 4 班までが、現代のイスラーム世界やそこで生きる人々を直接の研究対象とするのに対して、5 班は現代のイスラーム世界やムスリム社会が形成されるに至った歴史的、文化的背景を明らかにすることを目指す。それは、重層的な構造を持つ現代イスラーム世界の基層部分を研究することと言い直すことも出来よう。

  2. 本班で行われる研究は従って、史料学や文献学的な成果だけで満足するものではなく、現代世界やそこで起こる様々な問題を常に意識したものでなければならない。そのような視点を持ってこそはじめて、本班の研究は「イスラーム地域研究」プロジェクトに貢献できる。

  3. 交通や通信手段の飛躍的な発達に伴って、研究の国際化はきわめて容易になった。本班は国際ワークショップや現地調査を積極的に実施し、その成果を世界に向けて発信してゆく。
 3 つの特色ある研究グループのうち、aグループ<美術と学問の展開>は、イスラーム世界が生み出してきた多彩な文化や学芸について、窯業、絵画、知の伝達という 3 つの方向からアプローチを試みる。bグループ<地域間交流史の諸相>は、イスラーム世界とその周辺諸世界が互いにどのように接触し、影響を与え合ってきたのかを研究テーマとする。具体的には、地域の境界を越えて動く人やモノに焦点を合わせ、そこに見られる地域間交流のメカニズムが検討される。cグループ<比較史の可能性>は、原理的モデルに立ち返って、中東・中央アジア、東南アジア、中国の諸現象の比較を試みる。具体的なテーマとしては、所有、市場、契約などが考えられている。

  以上の 3 つの研究グループ独自の研究活動とは別に、5 班全体で年1回全体集会がもたれ、3つのグループ間での情報共有、問題点の深化のために議論が行われる。

文責:羽田正


個々の研究グループについての詳しい紹介

  • aグループ<美術と学問の展開>
  • bグループ<地域間交流史の諸相>
  • cグループ<比較史の可能性>

  • 班の事務局

    東京大学東洋文化研究所 8 階西アジア部門室

    〒113-0033 東京都文京区本郷 7-3-1

    事務局責任者羽田正
    事務担当者西園寺彩子
    ホームページ作成担当西田雄一


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