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水を運ぶグル

南インド農村部における宗教リーダーの役割

by 池亀 彩(新世代アジア研究部門・准教授) 13:30 ~ 15:00(13:00 開場)

-南インド農村部における宗教リーダーの役割-

概要

インドにはグルと呼ばれる宗教リーダーたちがたくさん活躍しています。サイババやアンマなど現代のスピリチュアリズムを牽引するグルから、生き神様として崇められるグル、そして旧不可触民や貧しい農民の抵抗運動を率いるグルまで、いろいろなタイプのグルがいます。

今回の報告では、南インドの農村部で地下水灌漑や土地回復運動を進めるグルたちの活動から、なぜ宗教リーダーが地域社会に欠かせない存在なのかを考えていきます。農村部における彼らの役割、そして彼らが民衆の信頼を集めるメカニズムを南インドにおけるグル信仰の伝統との関わりから明らかにしていきます。

講師紹介

  南インド・カルナータカ州を中心に、王権、宗教リーダー(グル)に関する文化・社会人類学的研究を行ってきた。近年は、グルたちによる様々なソーシャル・サービス(教育・医療・開発・紛争解決)に着目し、こうした活動が民主主義の発展とどう関係するのかを研究している。また日本とインドを比較しながら被差別コミュニティーによる新しい解放運動に関する調査を行っている。

1969. 東京都生まれ
1993. 早稲田大学理工学部卒業
1995. 同大学大学院修士課程修了
1997. ルーヴェン・カトリック大学ルメール歴史的都市と建造物保存修復センター修士課程修了
1999. 日本学術振興会 特別研究員(DC2)
2001. 京都大学大学院人間・文化研究科博士過程(文化人類学)単位取得の上退学
2001. 日本学術振興会 特別研究員(PD)
2007. エディンバラ大学社会政治学研究科 博士号取得(社会人類学)
2007. エディンバラ大学社会政治学研究科 ESRC ポストドク・フェロー
2009. エディンバラ大学南アジア研究センター ESRC/AHRC リサーチ・アソシエイト
2010. 人間文化研究機構 現代インド地域研究センター 国立民族学博物館拠点 拠点研究員
2011. オープン・ユニヴァーシティ政治社会学部 ERCリサーチ・アソシエイト
2015.
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東京大学東洋文化研究所 准教授