東洋文化研究所の自己点検・評価

2011年度の自己点検・評価

1. 研究所の活動全体についての自己点検・評価(6年に一度)。
2. 研究所の准教授が教授に昇任する際の業績評価ならびに昇任理由
3. 研究所の教授が55歳となった年度の 業績の総括、本人の自己点検・評価、評価委員会による評価

 


2.研究所の准教授が教授に昇任する際に、その業績評価を行ない、昇任の理由を公表します。

松田康博准教授の教授昇任 (2011.12.1付)

昇任理由

 本文 

松田康博氏 教授昇任評価
 松田康博氏の業績は、大きくわけて三つの領域に関するものである。第一は、中国国民党のもとでの統治システムの歴史的研究、第二は20世紀後半以降の台湾と中国の対外関係研究、そして第三が政策決定過程の研究である。松田氏の准教授就任にあたっての選考過程では、第一の領域における研究である『台湾における一党独裁体制の成立』(慶應義塾大学出版会、2006年、アジア経済研究所「発展途上国研究奨励賞」ならびに、樫山奨学財団第2回「樫山純三」受賞)および第二の研究領域における数多くの論文が高く評価された。
 さらに東京大学東洋文化研究所准教授着任以後は、第二の領域である台湾をめぐる国際関係についての研究を精力的に行うとともに、第三の領域を開拓してきた。特に、編著書である『NSC国家安全保障会議危機管理・安保政策統合メカニズムの比較研究』、彩流社、2009年)は、世界各国の安全保障政策の統合メカニズムの比較研究であり、世界的にみても類書の少ない、学界への貢献の極めて大きい研究成果である。アメリカにおける国家安全保障会議(NSC)が、安全保障政策の統合メカニズムとしては有名であるが、松田氏は、共同研究の二人のリーダーの一人として、アメリカ、韓国、台湾、ロシア、中国、シンガポール、英国、そして日本のケースを比較する共同研究を推し進め、その成果を本書にまとめたものである。松田氏自身は、台湾、中国、そして日本の事例研究を担当し、さらに終章で、すべての事例研究をうけてのバランスのとれた質の高い総括を行っcている。
 東京大学着任後の3年数ヶ月の間に、松田氏は、共編著2冊、(共編著に収録の論文も含めて)論文10篇を刊行している。これは、概ね年3篇の論文の発表にあたり、人文社会系の研究者としては、順調な論文刊行のペースである。また、共編著のうち一冊『日台関係史1945-2008』は、他の編著者とともに、自らの専門領域の研究水準を概説書の形でまとめようと試みた業績である。科学研究費補助金の獲得にも積極的で、基盤研究B「繁栄と自立のディレンマポスト民主化台湾の国際政治経済学」の研究代表者をつとめ、中台関係の動向を東アジア国際政治のなかで位置づける意欲的な研究を促進している。上述したもう一冊の共編著『NSC国家安全保障会議』は、過去10年間におよぶ共同研究の成果であり、松田氏の共同研究をリードする能力を示すとともに、新分野を開拓しようとする意欲を示している。さらに、日本台湾学会において常任理事、アジア政経学会において理事を務めている。これまでの研究業績について、2011年には、中曽根康弘賞(優秀賞)を受賞した。選考理由は以下の通りである。
国共合作から蒋介石政権発生までの中国の動き及び中国と台湾との関係、台湾政治の研究を学問的見地から地道に行うとともに、東アジア及び日本の安全保障研究の第一線においても、日本の安全保障政策を適切に外国語で発信するなどの活動を行ってきた。これらの研究や活動はこれまでにない観点から行われており、緊迫しがちな東アジア地域の関係を客観的、冷静に分析するものとして、日本及び近隣諸国での関係や役割についての提言を与えるものであり、東アジア地域の安定と発展に結びつくものとして、高く評価されるものである。
  本研究所汎アジア部門政治世界運営単位の教授は、アジアの国際政治ないし比較政治に関し、深い専門領域を持つとともに、アジア大さらには世界全体を視野においた研究業績の広がりを持ち、学界の研究をリードしていく資質があることが期待される。上述したように、松田氏は、中国国民党研究および現代台湾研究に関し、深い専門性を持つとともに、中台関係を取り囲む東アジアの国際政治全般の分析にも視野を広げ、さらに国家安全保障会議の研究にみられるように、世界的な視野のもとでの研究もリードしている。准教授着任に至るすぐれた研究業績に加え、本学着任後の研究業績も極めて優れていると判断しうる。同氏のこのような業績や学界活動は、世界的に活躍している内外の同年代の最高水準の研究者と比較して優るとも劣らない。その意味で、汎アジア部門政治世界運営単位の教授のポストにふさわしいと判断される。

 

3.研究所の教授が55歳となった年度に、それまでの業績を総括し、今後の展望を語る会合を持ち、本人の自己点検・評価と評価委員会による評価を公表します。

池本幸生教授 (2012.2.26付)


研究履歴と今後10年の研究計画

 本 文 

『正義のアイデア』とケイパビリティ・アプローチの有効性について:過去30年間の研究を振り返って

汎アジア部門 池本幸生

【研究履歴】

   京都大学に入学し、経済学を学び始めたとき、「分配と経済成長」がゼミの研究テーマだった。その内容は、資本と労働の間のマクロ的分配が経済成長にどのような影響を与えるかだった。大学卒業後の1980年に入所したアジア経済研究所での研究テーマはフィリピンのマクロモデルによる10年後の経済予測だったが、あまりにも恣意的になりすぎる予測を止め、「所得格差と経済成長」の研究を始める。これは、家計所得調査を用いて、マレーシアやタイなどの経済発展の過程で所得格差がどのように変化してきたのか、その要因は何かを明らかにすることを目的とする。1987年から89年にかけての2年間、タイに派遣され、タイ人と共同研究を行ない(池本幸生・ワリン・ウォンハンチャオ編、『タイの経済政策: 歴史・現状・展望 : タイ日本共同研究』、ASEAN等現地研究シリーズ 第1巻、1988年、アジア経済研究所)、一方、所得分配に関する個人研究の成果はIncom Distribution in Thailand: Its Changes, Causes and Structureとして出版され、それが後に博士論文となった。1990年に京都大学東南アジア研究センターに移り、タイの所得格差の研究を続けるとともに、タイについての理解を深めるために19世紀以降の経済史的分析を行ない(池本幸生「ラーマ4世期の『消極的』経済政策」『東南アジア研究』31巻4号、1993年9月、pp. 299324)、さらに東北タイにおける地場産業の研究として三角枕の分業的生産体制に関する調査を行なった(Yukio Ikemoto, "An Expansion of Cottage Industry in Northeast Thailand - A Case of Triangular Pillow in Yasothon Province," 『東南アジア研究』Vol.33, no.4, 1996.3, pp. 122-137)。その後、タイが周辺諸国に進出しようとするのに伴ない、ラオスや中国雲南省をしばしば訪れる。

  転機となるのは東洋文化研究所に移ってきてからである。最初の定例研究会では、タイの長期的な経済発展を進化経済学的アプローチによって説明できるかについて発表していたから、現在の貧困研究の萌芽はまだなかった。ベトナムの貧困研究を始めることになり、転機が訪れる。貧困問題の標準的アプローチは、家計所得調査を用いて、貧困線と呼ばれる最低限の所得以下の世帯の特徴を統計的に明らかにするというものである。最初はそのような標準的な研究を行なったが(池本幸生「ヴェトナムの格差と貧困問題」石川滋・原洋之介編『ヴィエトナムの市場経済化』1999年、pp. 99~110)、実際に中部高原で少数民族の貧困調査を始めたとき、所得アプローチはほとんど意味がないと感じた。所得というたったひとつの指標で捉えるには、貧困は複雑すぎる。少数民族が置かれている苦境は所得では捉えることができない。たまたま、アマルティア・センの『不平等の再検討』を佐藤仁さんと野上裕生さん(アジア経済研究所)と一緒に翻訳したこともあり、ケイパビリティ・アプローチがどういう意味を持つのか、どう使うのかもよく分からないまま、ベトナムの貧困分析にケイパビリティ・アプローチを応用しようとした。それ以降、私の仕事は一貫してケイパビリティ・アプローチをどう応用するかに絞られていく。ケイパビリティ・アプローチは、所得アプローチを批判するものであるだけに経済学者には評判がよくない。そのため、地域研究を志向しない経済学者と一緒に研究する機会は減り、逆に所得アプローチに代わる評価手段を求めている非経済学者と共同研究を行なう機会が増えていった。帝京大学の松井範惇先生とは、バングラデシュの貧困研究などで一緒に研究を続けてきた(松井範惇・池本幸生編『アジアの開発と貧困:可能力・女性のエンパワーメントとQOL』2006年4月)。松井健先生とは、「生業と生産の社会的布置」に関する研究で、ベトナムのコーヒー産業を取り上げて、ケイパビリティ概念を用いて、「生業」と「生産」の違いについて考えた(池本幸生「生産者と消費者をつなぐもの――ベトナム・コーヒーにみる生業と生産の社会的布置」松井健編『グローバリゼーションと〈生きる世界〉-生業からみた人類学的現在』)。「生業」にはケイパビリティ概念で捉えるべき豊かさがあり、「生産」ではそれが経済論理によって切り捨てられると捉え、Sustainable な社会を維持するためには「生産」に情報を付加する必要があり、それをフェアトレードなどの認証システムが認証マークによって復活させようとしていると論じた。立命館大学の江口信清先生や藤巻正己先生のらと行なっているツーリズムの研究も、ツーリズムを所得ではなくケイパビリティから評価することによって人々の暮らしの「豊かさ」を持続可能なものとすることに関心がある(Thanh Phan and Ikemoto Yukio, "Ethnic Minority People and Tourism in Vietnam: The Traditional Textile in Binh Thuan Province," 『立命館大学人文科学研究所紀要』, no.90, 2008.3, pp. 67-97)。総合地球環境学研究所では、石川智士客員准教授を責任者とするプロジェクト「東南アジア沿岸地域におけるエリアケイパビリティの向上」において、ケイパビリティという概念を生態系サービスにまで拡張するという研究を行なっている。また、特任研究員の金氣興さんと行なっている有機農業の研究も同様の視点から行なっている(池本幸生・金氣興「有機農業とケイパビリティ・アプローチ」『国学院経済学』56巻3-4号、2008年3月)。

  これらの研究は、ケイパビリティ・アプローチを試行錯誤しながら応用しようとしてきたものであるが、そのことが、この2年間をかけて翻訳し、最近、出版されたアマルティア・セン『正義のアイデア』には体系的にまとめられている。本書の翻訳は、私の研究において「55歳の区切り」となるものである。


【今後10年の研究計画】

  ケイパビリティという概念が最初に「潜在能力」と訳されてから、センが提示した厳密な定義を無視して、日本語本来の意味でセンの「潜在能力(ケイパビリティ)」を用いる例が数多く見られ、広く知られるようになった今も、あまりにも誤解され過ぎている。ブータンの幸福指数が注目されているものの、ケイパビリティは幸福を志向するものではない。それは、真の意味での「人の暮らしの豊かさ」をどう捉えるべきかを示すものでしかない。しかし、我々の視点を、所得やGDPのような金銭的に測られるものから、ケイパビリティに移すことは大きなインパクトを持ちうる。特に、日本のように人々の暮らしを犠牲にして「経済成長」を追求しようとするような国にとっては重要である。

  ケイパビリティ・アプローチそのものは単なるアプローチでしかなく、どうすべきかという指針を与える「理論」ではない。つまり、それだけでは「どうすべきか」を示してくれるわけではない。「どうすべきか」に関して、「平等」という概念は重要な意味を持つと考えている。それは、日本で90年代に流行った「機会の平等」か「結果の平等」かという二者択一的な単純な「分ける議論」ではない。センの『正義のアイデア』はこの点で重要な手がかりとなる。また、アダム・スミスの『道徳感情論』も重要な文献となるだろう。理論的には、この分野で研究を進めたいと考えている。

  実践的には、ケイパビリティ・アプローチを用いることによって、何が見えてくるのかを示すことが重要な課題である。それは、経済学の枠を越えて、様々な分野で試してみるべき課題であり、それを試す機会があれば、それに挑戦していきたい。それは、これまで貧困や観光やコーヒーや有機農業や社会的企業などの分野でやってきたことであり、今後も様々な分野でケイパビリティ・アプローチを応用し、「経済開発から人間開発へ」という流れを促進させたいと考えている。

 


業績評価

 本 文 

池本幸生教授の業績評価

評価委員会は、2011年12月15日に開催した自己点検・評価セミナーでの池本教授の報告を聞き、教授昇進(2002年)後の氏の主要活動を検討した結果、池本教授が研究、教育、学内行政、社会連携の各分野において東洋文化研究所の教授にふさわしい業績を挙げており、今後も十分な活躍が期待できることを確認した。以下にその概要を記す。

1.研究活動の評価
1)教授昇進後の約10年間に、主要な研究業績として、学術論文27点(単著12点(うち英文2点)、共著15点(うち英文11点))、共編著3点(うち英文2点)、翻訳3点(うち単独訳1点、共訳2点)を公刊している。単独訳のアマルティア・セン『正義のアイデア』が700頁近い大冊であることからも分かるように、生産性はきわめて高い。また、英文著作の多さは特筆される。研究業績の詳細なリストは、本報告の末尾に付す。なお、出版業績以外に、研究発表の回数は24回を数える。
2)積極的に外部研究費を申請し、日本学術振興会科学研究費補助金の基盤研究B、C各1回、アジア・アフリカ学術基盤形成事業など、合計約5000万円(2013年度までの配分予定額を含む)を獲得している。これは、文系研究者としては、十分な獲得額といえる。

2.教育活動の評価
池本教授は、農学生命科学研究科農業・資源経済学専攻、新領域創成科学研究科国際協力学専攻という2つの大学院研究科で学生を指導しており、教授昇進後ののべ指導学生数は、博士課程9人、修士課程19人、研究生1人の合計29人となる。このうち、1人がすでに博士号を取得している。年に3人という指導大学院生数は、文系研究所に所属する教員としては例外的ともいえるほど多い。これは、池本教授の研究が持つ魅力と人柄への信頼によるものと考えられる。また、海外でのフィールドワークに大学院生を同行し現場で実習を行なうなど、効果的な教育を実施すべく、工夫を重ねている点も評価できる。

3.所内、学内各種委員会などにおける活動
池本教授は、以下のような所内、学内の要職を務めている。新しい考え方や手法を提案し、自ら実行するという点で、その手腕はきわめてすぐれており、同僚教職員の信頼は厚い。
1)東洋文化研究所副所長(2011年度)
2)ASNET副機構長(2009年度)
  特に、「日本・アジア学」の教育プログラムの整備、ASNET・東文研共催セミナーの創設は重要な功績である。
3)図書行政商議会委員、東洋文化研究所図書委員長(2006〜08、11年度)

4.社会連携活動
東文研セミナーとして、「コーヒーサロン」と題する催しを2005年から開始し、2011年末までに26回開催している。このイヴェントは、コーヒーの生産から流通、消費にいたるまでのさまざまな問題を、コーヒーを飲みながら話し合うという趣旨で、一般市民が研究者と気軽に意見交換できる場として有効に機能している。

以上


<参考資料:池本幸生教授の主要研究業績(教授昇進後)>
[著書]
1.  Pk. Md. Motiur Rahman, Noriatsu Matsui and Ikemoto Yukio, The chronically poor in rural Bangladesh : livelihood constraints and capabilities , 2009, Routledge, xix, 187 p.
2.  Thanh Phan, Hwen Nie Kdam and Ikemoto Yukio eds., Coffee in Vietnam's Central Highlands: Historical, Anthropological and Economic Perspectives, 2007.8, Ho Chi Minh City, VIetnam, Vietnam National University Hochiminh City Press, 6+135pp.
3.  松井範惇・池本幸生編『アジアの開発と貧困: 可能力・女性のエンパワーメントとQOL』2006年4月、東京、明石書店、372p.

[論文]
4.  Kurata, Masamitsu and Ikemoto Yukio, "Decentralization and Economic Development in Thailand: Regional Disparity in Fiscal Capacity and Educational Decentralization," Uchimura Hiroko ed., Fiscal Decentralization and Development: Experiences from three developing countries in Southeast Asia, forthcoming 2012.
5.  倉田正充、松井惇範、Pk. Md. Motiur Rahman、池本幸生「バングラデシュ農村における多元的貧困の動態」『アジア経済』2012年2月(近刊).
6.  池本幸生「生産者と消費者をつなぐもの――ベトナム・コーヒーにみる生業と生産の社会的布置」松井健編『グローバリゼーションと〈生きる世界〉生業からみた人類学的現在』2011年4月1日、昭和堂、pp.427-449.
7.  池本幸生「GDPに代わる真の豊かさ指標を求めて」『科学』80巻3号、2010年3月、pp. 300301.
8.  池本幸生「少数民族の社会的地位と観光の役割――ケイパビリティ・アプローチの観点から」江口信清・藤巻正己編『貧困の超克とツーリズム』明石書店、2010年3月、pp.467-494.
9.  池本幸生「ベトナムにおけるコーヒー農民の食料安全保障」『国際農林業協力』32巻3号、2010年2月、pp.10-17.
10.  池本幸生「リチャード・ウィルキンソン著『格差社会の衝撃』をめぐって:平等と持続可能な社会」『学際』22巻、2009年12月、pp.168-173.
11.  池本幸生「ウィルキンソン著『格差社会の衝撃』から見る日本の不平等」『Int'lecowk――国際経済労働研究』2009年9月、pp.32-33.
12.  池本幸生「ベトナムの観光と少数民族の暮らし」藤巻正己・江口信清編著『グローバル化とアジアの観光』ナカニシヤ出版、2009年5月、pp.80-96.
13.  池本幸生「コーヒーにみる生業と生産の社会的布置」『民博通信』123号、2008年、pp. 1416.
14.  三本木一夫・池本幸生「インドネシア・マンデリンコーヒーの発展過程」『東洋文化』2008年3月、pp. 145172.
15.  池本幸生・金氣興「有機農業とケイパビリティ・アプローチ」『国学院経済学』56巻3-4号、2008年3月、pp.63-107.
16.  Thanh Phan and Ikemoto Yukio, "Ethnic Minority People and Tourism in Vietnam: The Traditional Textile in Binh Thuan Province," 『立命館大学人文科学研究所紀要』 no.90, 2008.3, pp. 67-97.
17.  Rahman Pk. Md. Motiur, Matsui Noriatsu, Ikemoto Yukio and Karim Mohammad Ehsanul, "Intergenerational Mobility in Poverty State of the Chronically Poor in Rural Bangladesh: A Markov Chain Model Approach," 『東亜経済研究』, 66, no.1, 2007.8, pp.35-56.
18.  池本幸生「幸福と経済学」『総合人間学叢書』2巻、2007年3月、pp. 8092.
19.  池本幸生「ケイパビリティから見た貧困削減のための観光開発」『立命館大学人文科学研究所紀要』、89号、2007年3月、京都、立命館大学人文科学研究所、pp. 113148.
20.  Rahman, Pk. Md. Motiur, Noriatsu Matsui and Yukio Ikemoto, "Livelihood Strategies of the Chronically Poor in Rural Bangladesh," 『山口経済学雑誌』 55, no.6, 2007.3, 山口, 山口大学経済学会, pp. 253-266.
21.  Keisuke Kokubun, Yukio Ikemoto and Atsuhiro Hamashima, "Asina Economic Development in World Income Distributiion: 1820-1996," 『東洋文化研究所紀要』, no.149, 2006.3, 東京, 日光書院, pp. 33-56.
22.  池本幸生・新江利彦「貧困政策とケイパビリティ:ベトナムの事例」『財政と公共政策』Vol.27 No.2、2005年10月、pp.100-111.
23.  Yukio Ikemoto, Maki Shuto and Satsuki Taguchi, "Women in Development: A Means or and End?," 『東洋文化研究所紀要』 no.147, 2005.3, 東京, 日光書院, pp. 391-414.
24.  Rahman, Pk. Md. Motiur, Noriatsu Matsui and Yukio Ikemoto, "Poverty and Food Security in Rural Bangladesh," 『山口経済学雑誌』, 55, no.4, 2006.11, 山口, 山口大学経済学会, pp. 79-93.
25.  Rahman, Pk. Md. Motiur, Noriatsu Matsui and Yukio Ikemoto, "Livelihood Struggles of the Chronic Poor in Rural Bangladesh (3)," 『山口経済学雑誌』, 55, no.2, 2006.7, 山口, 山口大学経済学会, pp. 99-114.
26.  Rahman, Pk. Md. Motiur, Noriatsu Matsui and Yukio Ikemoto, "Livelihood Struggles of the Chronic Poor in Rural Bangladesh (2)," 『山口経済学雑誌』, 54, no.6, 2006.3, 山口, 山口大学経済学会, pp. 29-51.
27.  Rahman, Pk. Md. Motiur, Noriatsu Matsui and Yukio Ikemoto , "Livelihood Struggles of the Chronic Poor in Rural Bangladesh (1)," 『山口経済学雑誌』, 54, no.2, 2005.6, 山口, 山口大学経済学会, pp. 75-111.
28.  Yukio Ikemoto and Izumi Takei, "Regional Income Gap and Migration: the case of Thailand," Harvard Asia Quarterly, VIII, no.3, 2004, summer, Cambridge, MA , Harvard Asia Center . URL: http://asiaquarterly.com/2006/01/28/ii-115/
29.  Yukio Ikemoto, "From Multiple to Singular Usefulness: Coffee in Vietnam," Takeshi Matsui and Saroj Aungusmalin eds., Multiply Useful Plants: Uses and Usefulness, 2005, Tokyo, The Head Office of the Project on "Distribution and Sharing of Resources in Symbolic and Ecolojical [i.e. Ecological] Systems: Integrative Model-building in Anthropology", pp.164-183.
30.  Yukio Ikemoto, "Coffee, Poverty, and Environment," Takeshi Sasaki ed., Nature and Human Communities, 2004, Tokyo, Springer-Verlag, pp.123-151.

[翻訳]
31.  アマルティア・セン『正義のアイデア』(池本幸生訳)2011年11月25日、東京、明石書店、666p.
32.  リチャード・ウィルキンソン『格差社会の衝撃:不健康な格差社会を健康にする法』(池本幸生・片岡洋子・末原睦美訳)2009年4月18日、書籍工房早山、351, ivp.
33.  Martha Nussbaum『女性と人間開発 潜在能力アプローチ 』(池本幸生・田口さつき・坪井ひろみ訳)2005年10月26日、東京、岩波書店、xxvii, 367, 58p.