柳宗悦は「民藝」に何を見出し、何を語ろうとしたのか。
本書は柳の晩年の著作を中心に、柳が「民藝」に問い続けたものの実態を読み解き、考察する。
広く、一般に拡散する「民藝」のイメージをもう一度、柳のものに戻し、「民藝」が現在に問う美の基盤を明らかにしようとするもの。
つくり手とつかい手が乖離したものの美と、「民藝」の観念的、大衆的な解釈の危うさを説きつつ、柳の「民藝」を探り「柳の民藝」の再構築を試みることで基点としての柳を浮かびあがらせる画期的論考。柳が見た、極めて具体的な美が蘇る。
本書『民藝の擁護』が、擁護しようとするのは「柳宗悦の民藝」である。柳がその美しさを発見し、その美しさの由来を探求し、その言語化の難しい美しいものの美しい理由を表現しようとした、柳宗悦の民藝である。
(「はじめに」 より)
はじめに | |
第一章 | 新しい民藝のために |
第二章 | 直感というもの |
第三章 | 民藝における創造の問題 --「民藝作家」は語義矛盾か?-- |
第四章 | 宗教と政治のダイナミズム |
第五章 | 利休と宗悦、茶と民藝 |
第六章 | 民藝の普遍性をめぐって |
おわりに |
松井 健
著
『民藝の擁護 --基点としての<柳宗悦>--』
里文出版, 227ページ
2014年11月
出版社の紹介ページへ
本著作の書評が読売新聞 2014年12月7日に掲載されました。
記事の詳細についてはこちらをご覧下さい。
松井 健 著『新版 セミ・ドメスティケイション』
松井 健・名和 克郎・野林 厚志 編『グローバリゼーションと〈生きる世界〉―生業/生産からの人類学的ヴィジョンの模索―』
松井 健 著『西南アジアの砂漠文化』