News
東文研セミナー「地域文化活動（闘牛）に対する外部影響と、その対応に関する協働的研究―新潟県の国指定重要無形民俗文化財「牛の角突き習俗」をめぐって―第２回（通算７回）勉強会（2017年度 サントリー文化財団「地域文化活動の実践者と研究者によるグループ研究助成」)」が開催されました
報告
2018年2月11日（日）11時より、東文研セミナー「地域文化活動（闘牛）に対する外部影響と、その対応に関する協働的研究—新潟県の国指定重要無形民俗文化財「牛の角突き習俗」をめぐって」第2回(通算7回)勉強会が開催された。本セミナーは、2017年度サントリー文化財団「地域文化活動の実践者と研究者によるグループ研究助成」の主催によるものである。
本セミナーは、「文化活動の周縁的参加者の役割とはなにか―沖縄闘牛・伊波大志に小千谷闘牛・木島良が学ぶ闘牛アナウンス―」をテーマに進められ、小千谷闘牛振興協議会の闘牛アナウンサー木島良氏と、沖縄闘牛のアナウンサー伊波大志氏による活発な意見交換が行われた。
本セミナーを通じ、サントリー文化財団助成金申請要項が標榜する「異なる地域の地域文化活動実践者による地域間交流を促進する」一つのきっかけをなすことが出来た。
当日の様子
 |  |
 |  |
 |  |
開催情報
日時： 2018年2月11日（日）11：00―19：00
会場： たいしょうドライブイン、および 石川多目的ドーム
勉強会のテーマ：「文化活動の周縁的参加者の役割とはなにか―沖縄闘牛・伊波大志に小千谷闘牛・木島良が学ぶ闘牛アナウンス―」
スケジュール
11：00―12：00 伊波大志氏によるツアー客への解説に関する調査と実地体験
13：00―16：00 沖縄旧正月大闘牛大会での伊波大志氏のアナウンスの参与観察
16：00―19：00 牛舎見学
コーディネーター
平澤敬一（北斗会会長）
平沢忠一郎（小千谷闘牛振興協議会実行委員長）
菅豊（東京大学東洋文化研究所教授）
開催の趣旨：
小千谷の角突きの担い手の中心は、角突き牛、および牛持ち（牛の所有者）、勢子である。彼らは、闘牛場のなかの主役であり、まさに表舞台に立つ人・牛である。ところが、角突きはそのような表舞台に上がる人牛だけではなく、その背後で多くの人びとによって支えられている。角突き当日、朝から掃除をしてくれる東山小学校の小学生たち、受付や掃除に甲斐甲斐しい女性たち、牛の安全を見守る獣医、牛をトラックで運んでくれる人びと、そして駐車場の車の整理をしてくれる地元の人びと…..。角突きは、直接に牛を飼育したり、また闘牛場に入ったりしない多くの人びと＝周縁的参画者に支えられているのである。彼ら彼女らは、普段はあまり目立たないが、角突きの継承と運営にとって、欠くことのできない重要な存在である。このような周縁的参画者のひとつとして、闘牛アナウンサーの存在を忘れてはならない。
角突き時のアナウンスのやり方、内容、出来不出来によって、会場の盛り上がりの度合いは大きく変わる。また聴衆の角突きへの理解度も大きく変わる。牛や勢子ばかりではなく、アナウンサーも一戦一戦の取り組みを創り上げているといっても過言ではない。
これまで小千谷闘牛振興協議会では監物伸行氏という伝説の名アナウンサーを擁してきた。30数年以上のアナウンサー歴をもつ同氏の存在は、小千谷闘牛振興協議会にとって掛け替えのないものになっている。しかし、その監物氏がいま引退を決意し、その後継者として木島良氏がその役割を担うことになった。木島氏は、放送関係のアナウンサー歴はあるものの、闘牛という文化に接するのはここ数年のことであり、いまその技量と知識を学んでいる過程である。
今回の勉強会は、その木島氏がさらに闘牛アナウンスに関する技量と知識を研鑽するために、現在、沖縄で闘牛アナウンサーとして活躍している伊波大志氏と交流し、学ぶことを目的としている。さらに、この企画によって、サントリー文化財団助成金申請要項が標榜する「異なる地域の地域文化活動実践者による地域間交流を促進する」きっかけとなすことも目的としている。（文責・平沢敬一、菅豊）
主催：
小千谷闘牛振興協議会、「地域文化活動（闘牛）に対する外部影響と、その対応に関する協働的研究―新潟県の国指定重要無形民俗文化財「牛の角突き習俗」をめぐって―」プロジェクト（サントリー文化財団「地域文化活動の実践者と研究者によるグループ研究助成」）、日本学術振興会科学研究費補助金「パブリック・ヒストリー構築のための歴史実践に関する基礎的研究」（研究代表者：菅豊）、東京大学東洋文化研究所班研究「東アジアにおける「民俗学」の方法的課題」研究会（主任：菅豊）
担当：菅
登録種別：研究活動記録
登録日時：WedFeb2118:33:522018
登録者 ：菅・川野・藤岡
掲載期間：20180211 - 20180521
当日期間：20180211 - 20180211
