人間、長く生きているとウレシイこともたまにはあるもので、日本学術振興会が科学研究費補助金の第一段審査委員5000名から、すぐれた審査をしたものを表彰する、その表彰の対象に私が選ばれた。内定の情報は9月の早い頃にやってきていたが、正式にホームページに発表されるまでは、自分自身疑心暗鬼だった。しかし、5000名のうちの39名、うち人文社会系が10名に満たない中で自分の名前がその中にあるというのは、実に光栄な話である。
一生懸命書いた申請書を審査される側も真剣だが、これを評価しようとする審査委員の側も真剣そのもの。そこでしっかり精査しなければ、将来有望な若者の道を閉ざすことになる――あるいは、将来がない者に誤解を与えてしまうことになるからだ。
審査は年末・年始の忙しい時期に行われ、多くの原稿を抱えながらの作業となるため、いつ審査を終えても強い疲労感に襲われる。いただいた賞状は、この疲労感への報酬だと思っている。
詳細は、以下のウェブサイトをご覧ください:http://www.u-tokyo.ac.jp/public/archive_j.html