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平成19年度第1回定例研究会のご案内(5月10日)

「戦後日本のアジア地域主義外交とその蹉跌 —「東アジア共同体」を語る前に」

日時 5月10日(木)14:00〜16:00
場所 工学部8号館大会議室(736室)

報告者 保城広至(東洋文化研究所 助教)
司 会 菅 豊(東洋文化研究所 准教授)
討論者 玄大松(東洋文化研究所 准教授)

報告要旨
「東アジア共同体」が盛んに論じられている。1997年ASEAN+3の定例化以降、金融・貿易・エネルギー協力、信頼醸成といった、東アジアにおける地域協力への志向は、多くの政府関係者・識者を引きつけている。
 本報告では、このような今の現象に焦点を当てるあまり、あまり光を当てられることがなかった1950、60年代の日本政府によるアジア地域協力構想——地域主義——を取り上げる。具体的には、日本の望んだ地域協力は、そのほとんどがアメリカの大規模資金を想定した「援助枠組み」あるいは「貿易決済枠組み」であった事実を紹介し、それらが唱えられた原因、その内容、政策意図、そして最終的にはすべてあだ花となって散る運命にあった蹉跌の理由を明らかにする。本報告は、戦後間もないこの時期の分析から何らかの現代的な含意を引き出すことを意図するものではないが、従来多くの誤解や認識不足が見られた日本によるアジア地域主義外交の実証分析によって、日本とアジア、そしてアメリカとの関係を再考する糸口となれば幸いである。

平成19年4月25日
東京大学東洋文化研究所
研究企画委員会

登録種別:研究会関連
登録日時:Wed Apr 25 13:32:36 2007
登録者 :研究協力係
掲載期間:20070425 - 20070510
当日期間:20070510 - 20070510