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東洋文化研究所叢刊30が刊行されました。羽田 正 編 『グローバルヒストリーと東アジア史』

編者からの紹介

 

 東京大学東洋文化研究所は、2011年から2013年にかけて、復旦大学文史研究院、プリンストン大学東アジア研究学部と共同で、世界史/グローバルヒストリーに関して3回のシンポジウムを開催しました。本書は、この3回のシンポジウムでの報告の中から、各大学5本、合計15本の論文を選んで編まれた論文集です。全体は、新しい世界史/グローバルヒストリーの方法論を扱う第一部と具体的なトピックに関する研究を収めた第二部からなっています。15本の論文は、それぞれが独自のテーマと視点を持っていますが、全体として、日本、中国、アメリカの研究者たちが、今後世界史の枠組みをどのように構築しなおすのか、新しい世界史という旗の下で具体的なトピックをどのように設定し議論するのかという問題に、真剣、かつ熱心に取り組んでいることが見て取れるでしょう。
 ただし、この三国の研究者が頭に思い浮かべる「世界史」や「グローバルヒストリー」という概念や枠組みは、必ずしも同じではありません。各国語での研究史や歴史学者の置かれた状況が異なるのですから、それは当然です。この論文集の意義は、このギャップの存在を明示しているという点にもあります。グローバル化が進む現代において、各国の歴史研究者が相互の認識の相違を知った上で、それをどう乗り越えて、共通の議論の場を創ってゆくのかが問われています。
 新しい世界史/グローバルヒストリー研究は、いま世界の歴史研究者の間でもっとも注目され、次々と新しい研究が公表されているホットな領域です。本書を通読して、その熱気の一端を感じ取って頂ければ幸いです。


目次等その他の詳細情報は「刊行物・教員の著作コーナー」に掲載された記事をご覧ください



登録種別:研究活動記録
登録日時:WedApr1305:27:302016
登録者 :羽田・松本・野久保(撮影)・藤岡
掲載期間:20160413 - 20160713
当日期間:20160413 - 20160413