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東文研セミナー(「多言語状況と言語政策史の比較研究 2」)のご案内(6月26日)

日時 2010年6月26日(土)午後2時~6時
場所 東京大学東洋文化研究所大会議室

<報告1>
氏名:イ・ギョンテク(筑波大学大学院)
題名:「外部及び内部の特徴からみる、孔子学院‐独自の事業形態と目標概念
に対する自己解釈を中心に」
要旨:本報告では、孔子学院という中国の対外言語政策事業を対象に、その外
的な特徴として独自の事業形態と内的な特徴として独自の概念理解という2つ
の特徴を取り上げ、それぞれに関して報告を行う。孔子学院の外的な特徴に関
する報告では、孔子学院をめぐるアクター構造を中心にし、その仕組みや力学
に関して報告を行う。内的な特徴に関する報告では、中国政府側が孔子学院の
目的として掲げるソフト・パワーという概念が、孔子学院事例において如何な
る形で変容され理解されているのかに関して報告する。本報告は、以上の両側
面を検討することで孔子学院事業の全体的な概観を目指すものである。


<報告2>
氏名:山口美知代(京都府立大学)
題名:「19、20世紀イギリスの綴り字改革運動―文化・社会的背景と言語観」
要旨:本発表では、19 世紀から20世紀のイギリスにおいて英語正書法の改良を目
指した綴り字改革論者(スペリング・リフォーマー)の運動の詳細を明らかに
する。この運動は結果的には失敗に終わっているが、そこには国民国家成熟期
固有の文化・社会的背景が映しだされている。本発表では特に、綴り字改革論
者の目的・動機と、その文化・社会的背景との関係に焦点を当て、綴り字改革
論の背後にあった言語観を明らかにする。それは、
(1)表音式綴り字が労働者階級の基礎教育を効率化するという考え方、
(2)表音式綴り字が言語の科学的研究に貢献するという考え方、
(3)表音式綴り字を用いれば英語はより優れた「世界語」となる、
という考え方である。 

東文研班研究「アジアにおける多言語状況と言語政策史の比較研究」

※本セミナーは、多言語社会研究会との共催で行われます

問い合わせ先
東洋文化研究所 名和克郎 nawa(at)ioc.u-tokyo.ac.jp
登録種別:研究会関連
登録日時:Tue Jun 15 11:04:16 2010
登録者 :研究支援担当
掲載期間:20100615 - 20100626
当日期間:20100626 - 20100626