1960年代末、ラテンアメリカからの初の留学生として韓国に学び、当地域での朝鮮研究第一世代として、長年学会を牽引してこられたAlfredo Romero Castilla教授(メキシコ国立自治大学)を講師に迎え、「メキシコにおける朝鮮半島研究」について回想録風に語っていただきます。
Romero教授は70年代、チリ、アルゼンチン、ウルグアイなど中南米各国からの亡命者の拠点となったメキシコ・シティで、金芝河釈放署名運動にかかわり、金芝河の詩に寄せた富山妙子の詩画集をもとに編まれたスライド「しばられた手の祈り」のスペイン語版制作にも携わりました。
一方、90年代以降は朝鮮半島からのメキシコへの初期移民の足取りをたどる調査に従事する過程で、1940年5月から11月にかけてラテンアメリカ公演を行なった朝鮮の舞踊家・崔承喜の外国人登録情報を発見し、その足跡を追う研究に取り組んでこられました。
本セミナーでは、ラテンアメリカ史に文脈づけられたRomero教授の研究歴に焦点をあて、メキシコで60年代半ばに胎動を始めた朝鮮半島研究において、崔承喜、金芝河、また富山妙子とどのように出会い、向き合ったのか、40年代と70年代それぞれの時代的文脈の中で彼や彼女たちの作品がいかにまなざされ、当時の社会にいかなるインパクトを与えたか、といったテーマについてお話いただきたいと考えています。
なお、コメンテーターには、崔承喜研究の若手の第一人者で、『帝国と戦後の文化政策―舞台の上の日本像』(岩波書店、2017年)の著者である朴祥美氏(横浜国立大学・准教授)をお迎えいたします。
日時: 2018年7月6日(金) 14:00~17:00
会場: 東洋文化研究所 大会議室
講師: Alfredo Romero Castilla(メキシコ国立自治大学・教授)
題目: メキシコにおける朝鮮半島研究
使用言語: スペイン語(逐次通訳付き)
コメンテーター: 朴祥美(横浜国立大学・准教授)
※どなたでもご参加いただけます。また事前申し込み、参加費は不要です。
問い合わせ:真鍋祐子 manabe[at]ioc.u-tokyo.ac.jp
担当:真鍋