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東文研セミナー「公開勉強会「『十三浜小指 八重子の日記』について語りあう」」(科研「パブリック・ヒストリー構築のための歴史実践に関する基礎的研究」(研究代表者:菅豊)第6回研究会)が開催されました

報告

 宮城県石巻市北上町小指で生まれ、暮らし、1952年に33歳で亡くなった佐々木八重子は、晩年の2年間、その生活ぶりを詳細に、かつ淡々と描いた日記を残した。その日記が、彼女の死後65年後の今年、その孫や、その地域で調査研究を行っていた研究者、大学院生たちによって整理され、注釈が付され、活字化された。そこで描かれた八重子の言葉は、戦後日本の地方の生活状況を示す貴重な史料であるとともに、日常生活のなかのありきたりの「日常」の意味とその力を、読者に訴えている。本研究会では、プライベート・ヒストリーのなかの日常が掘り起こされ、それがパブリック・ヒストリーとして多くの人びとの日常として再定置されるプロセスと、その活動の意味について、八重子のご家族・親族、地域の人びと、そして本プロジェクトの研究者が共に学びあった。八重子の人生について、当時の十三浜の暮らしぶりについて、そして、日記への思いについて、みんなで日記を読み込み、八重子のプライベート・ヒストリーを、子孫のファミリー・ヒストリーへと、さらに東日本大震災被災地のローカル・ヒストリーへ、そして多くの人びとが共感するパブリック・ヒストリーへと昇華させる協働作業をとりおこなった。

当日の様子

開催情報

日時: 2017年12月17日(日)14時〜16時

会場: 復興まちづくり情報交流館 北上館 (宮城県石巻市北上町十三浜丸山41- 2)
HP:http://www.city.ishinomaki.lg.jp/cont/10151000/9200/0020/20160311104539.html

コーディネーター:宮内泰介(『八重子の日記』編者。北海道大学教授。環境社会学)

話し手:
  ○佐藤恵子(『八重子の日記』編者。八重子の孫)
  ○佐藤清吾(元十三浜漁協組合長。郷土史家。大室)
  ○宮内泰介
  ○菅豊(東京大学教授。民俗学)

主催:パブリック・ヒストリー研究会(科研「パブリック・ヒストリー構築のための歴史実践に関する基礎的研究」(研究代表者:菅豊)グループ)、東京大学東洋文化研究所班研究「東アジアにおける「民俗学」の方法的課題」研究会(主任:菅豊)

担当:菅



登録種別:研究活動記録
登録日時:ThuDec2110:39:442017
登録者 :菅・川野・藤岡
掲載期間:20171217 - 20180317
当日期間:20171217 - 20171217