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黒田教授がモルダビア国立歴史博物館にて招待講演

黒田明伸教授がモルダビア国立歴史博物館主催の第16回古銭学シンポジウムに招待され、9月22日に冒頭講演’Why and How Did Silver Dominate across Eurasia Late-13th through Mid-14th Century?: Historical Backgrounds of the Silver Bars Unearthed from Orheiul Vechi’を行いました。2007年にキプチャク汗国要塞があったOrheiul Vechiで発見された14世紀中葉のものと思われる65の銀の延べ棒が中国内所領からの貢納に由来する可能性が高く、当時のユーラシア大のさかんな銀流通を実証するものである、との趣旨で、モルダビア、ウクライナ、ルーマニアの研究者からの活発な質疑をよびました。

会議に先立ち21日には同博物館で展示中の当該の銀の延べ棒を特別に実見し、泡状の表面の様態や平均重量(200グラム=5両)から中国銀塊との共通性が強いことを確認しました。また23日には発見されたOrheiul Vechiに、同地の発掘に従事してきたシンポ主宰者Eugen Nicolae 教授(ルーマニアアカデミー考古学研究所)の案内で、研究協力者のGeorges Depeyrot教授(CNRS/ENS)とともに訪れ、けわしい河岸段丘に囲まれた天然の要害であることなどの特徴を知見しました。黒田教授の科研基盤B「貨幣の多元性についての国際共同研究:世界史における貨幣間分業とその比較」26285073 の一環として行われたものです。



登録種別:研究活動記録
登録日時:SunSep2505:01:232016
登録者 :黒田・藤岡
掲載期間:20160922 - 20161222
当日期間:20160922 - 20160922