一般の人々が同じ規模の商業取引をするのでも、匿名的な社会関係に適合した通 貨ですますのと結合的な社会関係にあった債務によるのとでは、異なる市場の構 造をもたらし、取引相手の選択を制限した後者の方が単一貨幣単位制度をつくり やすい、ということを中国、日本、イギリスを比較することで示した論文です。
Socio-Economic Reviewはthe Society for the Advancement of Socio- Economicsという学会がOxford UPと組んで刊行しているジャーナルです。同学会 と私は何の関係もありませんが、社会関係と経済行為を結びつけて考える方向性 は共有していると考えて投稿し、幸い掲載を認められたものです。
なお、掲載号は7月に印刷刊行のようです。12月13日の定例研究会では、主としてこれに沿った報告をさせていただきます。お時間がおありの時に一瞥いただければ大変うれしく存じます。