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松田教授が台湾の「鄭南榕と言論の自由」学術シンポジウムで基調講演

松田教授が台湾の「鄭南榕と言論の自由」学術シンポジウムで基調講演

 松田教授が、4月6日に、台湾の台北市民政局および鄭南榕基金会主催の「鄭南榕と言論の自由」学術シンポジウム(「鄭南榕樹與言論自由」学術研討会)で、「戦後の権威主義が台湾社会に与えた影響」(戦後威権主義対台湾社会的影響)と題した基調講演を行いました。
 鄭南榕は、戒厳令下の台湾で、党外雑誌『自由時代周刊』を創刊し、台湾の民主改革運動や台湾独立運動を推進し、当時の中国国民党政権の迫害を受けた結果、1989年4月7日に雑誌社の中で抗議の焼身自殺を遂げた人物です。鄭南榕とのその雑誌社のタブーなき言論と、その衝撃的な死は、台湾の民主化運動史の中でも異彩を放っており、いわば伝説となっています。このたび、柯文哲台北市長が、命日である4月7日を「自由の日」と定めたことを記念し、学術シンポジウムとコンサートが行われました。
 松田教授は同講演で、40年以上の長きに及んだ中国国民党政権が、中国の統一と近代化という理想主義的な目標を掲げる一方で、革命のためあらゆる手段を正当化したため、台湾社会に厳しい統制が浸透した結果、民主化を経てもなお、政治的タブーが存在すること、あらゆる問題が政治化しやすいこと、そして「安定した権威主義的統治」への郷愁があることなど、権威主義体制の副作用がいまだ根深いことを指摘しました。
 シンポジウムには民主化運動の関係者や学生などを中心に100名以上の参加者があり、憲法と表現の自由、移行期の正義、権威主義の音楽統制などさまざまなテーマにについて活発な議論が展開されました。


松田教授が台湾の「鄭南榕と言論の自由」学術シンポジウムで基調講演松田教授が台湾の「鄭南榕と言論の自由」学術シンポジウムで基調講演


登録種別:研究活動記録
登録日時:SunApr1014:28:172016
登録者 :松田・藤岡
掲載期間:20160406 - 20160606
当日期間:20160406 - 20160406