東文研セミナー「オスマン史研究会」第8回定例大会が下記の要領で開催されました。
日時:2019年7月6日(土)14:00~18:00
会場:東京大学東洋文化研究所 3階第1会議室
プログラム:
司会 秋葉淳
14:10~15:30 | 永島育(早稲田大学) 「青年トルコ人革命前夜におけるオスマン陸軍編制の検討(1878-1908)」 |
14:10~15:30 | 松尾有里子(お茶の水女子大学) 「オスマン帝国末期~共和国初期における女子教育と女性教師—女子師範学 校の改変を通じて—」 |
17:30~18:00 | 総合討論 |
第8回オスマン史研究会は、関西や九州からの参加者を含む34名(司会・報告者含む)の参加があり、会場が満員となる盛況であった。特に、学部生の参加者が10名に上ったのは 、研究会の若返りという点から大変心強いものであった。
永島氏の報告は、青年トルコ人革命の発端となる蜂起を起こしたのがオスマン陸軍の第三軍だったことの意味は何か 、という問いから発し、オスマン陸軍の編成を詳細に明らかにし、その中での第三軍の特性を考察した。
松尾氏の報告は、1870年にイスタンブルに開設された女子師範学校に ついて、帝国末期(第二次立憲制期)から共和国初期までの変容を、組織、カリキュラム、学生数などの面から跡づけるものであった。
永島報告に対しては、陸軍参謀の位置 付けなど軍の組織の問題、松尾氏に対してはミッション系の女子学校との関係や幼稚園教師養成部設立の意義などについて活発に議論が交わされた。