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教員の新著が刊行されました。
青山和佳・受田宏之・小林誉明 編著 『開発援助がつくる社会生活』第2版

編者からの紹介

 

 本書の特徴は、7年前に出版された初版のみずみずしさをそのままに、2017年という<現在>から編著者一同6名がそれぞれの担当章と、それらの章で対象とした事例を見つめ直したことである。重版の知らせは思いがけないもので、手直しのために許された時間はわずかだった。ただし、本書の主な読者が誰であるか、ある程度知ることができた。初版はおもに、国際開発援助の実践に関心のある若い読者に教科書として届いていたのである。
 本書の意義は、人文社会科学の範囲ではあるものの、国際開発援助プロジェクトが関係者におよぼす影響にかんする学際的研究にチームで挑戦したことにある。全体を俯瞰するための分析枠組みを設定した上で、日本の政府開発援助(ODA)の主要な対象地域であるアジアを中心にラテンアメリカも含めて、現地調査に基づく6つの事例分析を提供している。それらは、いろいろな意味で若かった当時の編著者たちの視点から書かれている。
 第2版では、事例分析の対象となった調査地とそこで暮らす人びとのその後の状況を伝えるコラムを新たに書き下ろした。さらに7年前とは異なる時代状況(難民問題の先鋭化、日本社会の構造変化など)を念頭に、本書の内容を読者が深読みできるよう新しい文献リストを添える工夫を凝らした。開発援助の研究や実践、人間のもつ脆弱性と可能性、フィールドワークに興味を抱いている学生や市民の方に広くお薦めいただければ幸甚である。

(編者を代表して、青山和佳)


目次等、詳細情報は教員の著作コーナーに掲載した記事をご覧ください。



登録種別:研究活動記録
登録日時:FriJan1215:39:322018
登録者 :青山・松本・野久保(撮影)・藤岡
掲載期間:20180112 - 20180412
当日期間:20180112 - 20180112