下記の要領で東文研セミナー「開発とトランスナショナルな社会運動」第6回を開催いたします。みなさまふるってご参加ください。
日時:2018年2月24日(土) 13:30 - 17:30
会場:東京大学 東洋文化研究所 3階 第一会議室
13:30~14:30 | 報告者:中西久枝(同志社大学大学院) 題目:「告発者」としての社会運動を読む ―イランの政治論評誌『今日の女性たち』に見るジェンダー的社会公正― 要旨: 2017年末から2018年1月初頭にかけて、イランでは反政府派デモと体制派デモがほぼ同時におこった。この背景には、2009年におこった「緑の波」後の社会的・経済的閉塞感がある。人々は、この閉塞感を「生活がよくならない」ことへの不満として表現し、社会的「不正」が問題だと捉えている。8年間の発禁が解け2014年に復刻した政治評論誌「ザナーネ・エムルーズ」(今日の女性たち)は、ハタミー時代の「ザナーン」(女性たち)がイスラム的フェミニズムを標榜していたのとは性格を異にし、イランの国内外でおこっているジェンダー的不正及び社会的不正義に対する「告発者」としての立場をここ数年明確にしている。本報告では、「ザナーネ・エムルーズ」をイランにおける、ひとつのトランスナショナルな社会運動の流れの中に位置づけ、本誌の「社会的公正」に関わる掲載記事を取り上げる。その際、グローバルなジェンダー連帯運動である、Women Living Under Muslim Law が告発している諸テーマとの接点を探ることとする。 |
14:30~15:00 | 質疑応答 |
15:00~15:15 | コーヒーブレイク |
15:15~16:15 | 報告者:鷹木恵子(桜美林大学) 題目:グローバル時代とスーフィー教団の社会運動 ―アラーウィー教団のトランスナショナルな活動を中心に― 要旨:アラーウィー教団は、1909年にアルジェリアで創設後、宗教間対話を柱とし、アラブ諸国に留まらず、移民とともに西欧諸国においても多数の信者を獲得してきた。現在、第4代目シャイフのもと、活動の幅を開発分野へも広げ、ムスリム・スカウトの創設、環境保護やジェンダー平等の推進、さらに国連ECOSOCの協議的地位を取得した後、2017年には国連のSDGsと関連させた「国際平和共生デー」(5月16日)の新設にも尽力した。本報告では、グローバル時代におけるスーフィー教団の社会運動の可能性や諸課題について、アラーウィー教団のトランスナショナルな活動を中心に、S.タローの社会運動の分析概念なども援用しつつ考察・検討してみたい。 |
16:15~17:30 | 質疑応答 + 全体討論 |
18:00~ | 懇親会(会費は3000円程度) |
なお、準備の都合上、出席を希望されます方は、恐れ入りますが、2月22日(木)までに懇親会の件も合わせて、鷹木宛(ktakaki[at]obirin.ac.jp、[at]を@にしてご使用ください)までご連絡をお願いいたします。
担当:長沢