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第4回アジア社会学コンソーシアムのスピーチを行いました

2010年12月7日の午後6時から8時まで、東洋文化研究所3階大会議室で、第4回目のアジア社会学コンソーシアムによるスピーチを行いました。

講師はMichael Anti(中国名「安替」)で、有名なコラムニスト兼ブロガー。プロの社会学者というわけではないものの、園田が大学院情報学環で安替を客員研究員として受け入れていたこと、それ以上に、変化する中国のメディア環境と日本のそれを対比しながら、そこに日中関係の悪化の原因を探るという興味深い視点から研究を行っていたため、講師として招へいすることにしました。

さて、当日のスピーチのテーマは「日本のメディアによる中国報道の『構造的欠陥』:東京の活動経験から(’Structural Fallacy’ of Japanese Media’s Reports on China: My Observations in Tokyo”)」。特に日本の中国報道に注目し、(1)日本の中国報道は、中国の党メディアやBBSなど、比較的右派的な言論ばかりをニュース源とし、(2)ブログやツイッター、市場経済化した各種メディアなどの論調を無視あるいは軽視しているため、(3)結果的に中国がナショナリズムに侵されているという極端な結論を導きやすく、(4)現在台頭している中国の市民社会の存在や、多様化の進行を看過しやすい、点を指摘しました。

日本の中国報道の特徴に対する評価、中国国内で生じている多様化の現状、中国における言論の自由の可能性など、いくつか重要な論点をめぐって熱い議論が交わされました。 当日は40名近い聴衆を集め、安替自身の情熱的な語り口もあって、今までになく盛況だったことを申し添えておきます。

第4回アジア社会学コンソーシアムのスピーチ   第4回アジア社会学コンソーシアムのスピーチ

日時  2010年12月7日(火)午後6時~8時

場所  東洋文化研究所3階第一会議室

講師  安替(南方都市報コラムニスト、ブロガー)

タイトル 「日本のメディアによる中国報道の『構造的欠陥』:東京の活動経験から(’Structural Fallacy’ of Japanese Media’s Reports on China: My Observations in Tokyo”

言語  英語

責任者 園田茂人教授(shigetosonoda@ioc.u-tokyo.ac.jp


登録種別:研究活動記録
登録日時:Fri Dec 24 10:02:05 2010
登録者 :藤岡
掲載期間:20101207 - 20110107
当日期間:20101207 - 20101207