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戦後日本政治・国際関係データベース
東京大学東洋文化研究所 田中明彦研究室

[文書名] 国際連合憲章(国連憲章)

[場所] サンフランシスコ
[年月日] 1945年6月26日署名,1945年10月24日効力発生,1952年6月4日国会承認
[出典] 外務省条約局,条約集第24集第1巻(4),1−48頁,77−92頁.現行条約集覧(多数国間条約(政治I))昭和37年,1−69頁.主要条約集(平成10年版)下巻,1頁.条約集(多数国間条約)昭和40年,560−563頁.条約集(多数国間条約)昭和48年,179−181頁.United Nations Treaty Series, 1970, volume 638, p.308.
[備考] 第二十三条、第二十七条、第六十一条及び第百九条に関する改正文書は編注として最後に記載
[全文]

国際連合憲章

昭和二十年六月二十六日 サン・フランシスコ市で署名
昭和二十年十月二十四日 効力発生
昭和二十七年三月二十日 加盟の閣議決定
昭和二十七年六月四日 国会承認
昭和二十七年六月二十三日 ニュー・ヨークで加盟申請書提出
昭和三十一年十二月十八日 我が国について効力発生
昭和三十一年十二月十九日 公布及び告示(条約第二六号)

われら連合国の人民は、

われらの一生のうちに二度まで言語に絶する悲哀を人類に与えた戦争の惨害から将来の世代を救い、

基本的人権と人間の尊厳及び価値と男女及び大小各国の同権とに関する信念をあらためて確認し、

正義と条約その他の国際法の源泉から生ずる義務の尊重とを維持することができる条件を確立し、

一層大きな自由の中で社会的進歩と生活水準の向上とを促進すること

並びに、このために、

寛容を実行し、且つ、善良な隣人として互に平和に生活し、

国際の平和及び安全を維持するためにわれらの力を合わせ、

共同の利益の場合を除く外は武力を用いないことを原則の受諾と方法の設定によつて確保し、

すべての人民の経済的及び社会的発達を促進するために国際機構を用いること

を決意して、

これらの目的を達成するために、われらの努力を結集することに決定した。

よつて、われらの各自の政府は、サン・フランシスコ市に会合し、全権委任状を示してそれが良好妥当であると認められた代表者を通じて、この国際連合憲章に同意したので、ここに国際連合という国際機構を設ける。

第一章 目的及び原則

第一条

国際連合の目的は、次のとおりである。

国際の平和及び安全を維持すること。そのために、平和に対する脅威の防止及び除去と侵略行為その他の平和の破壊の鎮圧とのため有効な集団的措置をとること並びに平和を破壊するに至る虞のある国際的の紛争又は事態の調整又は解決を平和的手段によつて且つ正義及び国際法の原則に従つて実現すること。

人民の同権及び自決の原則の尊重に基礎をおく諸国間の友好関係を発展させること並びに世界平和を強化するために他の適当な措置をとること。

経済的、社会的、文化的又は人道的性質を有する国際問題を解決することについて、並びに人種、性、言語又は宗教による差別なくすべての者のために人権及び基本的自由を尊重するように助長奨励することについて、国際協力を達成すること。

これらの共通の目的の達成に当つて諸国の行動を調和するための中心となること。

第二条

この機構及びその加盟国は、第一条に掲げる目的を達成するに当つては、次の原則に従つて行動しなければならない。

この機構は、そのすべての加盟国の主権平等の原則に基礎をおいている。

すべての加盟国は、加盟国の地位から生ずる権利及び利益を加盟国のすべてに保障するために、この憲章に従つて負つている義務を誠実に履行しなければならない。

すべての加盟国は、その国際紛争を平和的手段によつて国際の平和及び安全並びに正義を危くしないように解決しなければならない。

すべての加盟国は、その国際関係において、武力による威嚇又は武力の行使を、いかなる国の領土保全又は政治的独立に対するものも、また、国際連合の目的と両立しない他のいかなる方法によるものも慎まなければならない。

すべての加盟国は、国際連合がこの憲章に従つてとるいかなる行動についても国際連合にあらゆる援助を与え、且つ、国際連合の防止行動又は強制行動の対象となつているいかなる国に対しても援助の供与を慎まなければならない。

この機構は、国際連合加盟国でない国が、国際の平和及び安全の維持に必要な限り、これらの原則に従つて行動することを確保しなければならない。

この憲章のいかなる規定も、本質上いずれかの国の国内管轄権内にある事項に干渉する権限を国際連合に与えるものではなく、また、その事項をこの憲章に基く解決に付託することを加盟国に要求するものでもない。但し、この原則は、第七章に基く強制措置の適用を妨げるものではない。

第二章 加盟国の地位

第三条

国際連合の原加盟国とは、サン・フランシスコにおける国際機構に関する連合国会議に参加した国又はさきに千九百四十二年一月一日の連合国宣言に署名した国で、この憲章に署名し、且つ、第百十条に従つてこれを批准するものをいう。

第四条

国際連合における加盟国の地位は、この憲章に掲げる義務を受諾し、且つ、この機構によつてこの義務を履行する能力及び意思があると認められる他のすべての平和愛好国に開放されている。

前記の国が国際連合加盟国となることの承認は、安全保障理事会の勧告に基いて、総会の決定によつて行われる。

第五条

安全保障理事会の防止行動又は強制行動の対象となつた国際連合加盟国に対しては、総会が、安全保障理事会の勧告に基いて、加盟国としての権利及び特権の行使を停止することができる。これらの権利及び特権の行使は、安全保障理事会が回復することができる。

第六条

この憲章に掲げる原則に執よう{前2文字強調}に違反した国際連合加盟国は、総会が、安全保障理事会の勧告に基いて、この機構から除名することができる。

第三章 機関

第七条

国際連合の主要機関として、総会、安全保障理事会、経済社会理事会、信託統治理事会、国際司法裁判所及び事務局を設ける。

必要と認められる補助機関は、この憲章に従つて設けることができる。

第八条

国際連合は、その主要機関及び補助機関に男女がいかなる地位にも平等の条件で参加する資格があることについて、いかなる制限も設けてはならない。

第四章 総会
構成

第九条

総会は、すべての国際連合加盟国で構成する。

各加盟国は、総会において五人以下の代表者を有するものとする。

任務及び権限

第十条

総会は、この憲章の範囲内にある問題若しくは事項又はこの憲章に規定する機関の権限及び任務に関する問題若しくは事項を討議し、並びに、第十二条に規定する場合を除く外、このような問題又は事項について国際連合加盟国若しくは安全保障理事会又はこの両者に対して勧告をすることができる。

第十一条

総会は、国際の平和及び安全の維持についての協力に関する一般原則を、軍備縮少及び軍備規制を律する原則も含めて、審議し、並びにこのような原則について加盟国若しくは安全保障理事会又はこの両者に対して勧告をすることができる。

総会は、国際連合加盟国若しくは安全保障理事会によつて、又は第三十五条2に従い国際連合加盟国でない国によつて総会に付託される国際の平和及び安全の維持に関するいかなる問題も討議し、並びに、第十二条に規定する場合を除く外、このような問題について、一若しくは二以上の関係国又は安全保障理事会あるいはこの両者に対して勧告をすることができる。このような問題で行動を必要とするものは、討議の前又は後に、総会によつて安全保障理事会に付託されなければならない。

総会は、国際の平和及び安全を危くする虞のある事態について、安全保障理事会の注意を促すことができる。

本条に掲げる総会の権限は、第十条の一般的範囲を制限するものではない。

第十二条

安全保障理事会がこの憲章によつて与えられた任務をいずれかの紛争又は事態について遂行している間は、総会は、安全保障理事会が要請しない限り、この紛争又は事態について、いかなる勧告もしてはならない。

事務総長は、国際の平和及び安全の維持に関する事項で安全保障理事会が取り扱つているものを、その同意を得て、会期ごとに総会に対して通告しなければならない。事務総長は、安全保障理事会がその事項を取り扱うことをやめた場合にも、直ちに、総会又は、総会が開会中でないときは、国際連合加盟国に対して同様に通告しなければならない。

第十三条

総会は、次の目的のために研究を発議し、及び勧告をする。

政治的分野において国際協力を促進すること並びに国際法の漸進的発達及び法典化を奨励すること。

経済的、社会的、文化的、教育的及び保健的分野において国際協力を促進すること並びに人種、性、言語又は宗教による差別なくすべての者のために人権及び基本的自由を実現するように援助すること。

前記の1bに掲げる事項に関する総会の他の責任、任務及び権限は、第九章及び第十章に掲げる。

第十四条

第十二条の規定を留保して、総会は、起因にかかわりなく、一般的福祉又は諸国間の友好関係を害する虞があると認めるいかなる事態についても、これを平和的に調整するための措置を勧告することができる。この事態には、国際連合の目的及び原則を定めるこの憲章の規定の違反から生ずる事態が含まれる。

第十五条

総会は、安全保障理事会から年次報告及び特別報告を受け、これを審議する。この報告は、安全保障理事会が国際の平和及び安全を維持するために決定し、又はとつた措置の説明を含まなければならない。

総会は、国際連合の他の機関から報告を受け、これを審議する。

第十六条

総会は、第十二章及び第十三章に基いて与えられる国際信託統治制度に関する任務を遂行する。この任務には、戦略地区として指定されない地区に関する信託統治協定の承認が含まれる。

第十七条

総会は、この機構の予算を審議し、且つ、承認する。

この機構の経費は、総会によつて割り当てられるところに従つて、加盟国が負担する。

総会は、第五十七条に掲げる専門機関との財政上及び予算上の取極を審議し、且つ、承認し、並びに、当該専門機関に勧告をする目的で、この専門機関の行政的予算を検査する。

表決

第十八条

総会の各構成国は、一個の投票権を有する。

重要問題に関する総会の決定は、出席し且つ投票する構成国の三分の二の多数によつて行われる。重要問題には、国際の平和及び安全の維持に関する勧告、安全保障理事会の非常任理事国の選挙、経済社会理事会の理事国の選挙、第八十六条1cによる信託統治理事会の理事国の選挙、新加盟国の国際連合への加盟の承認、加盟国としての権利及び特権の停止、加盟国の除名、信託統治制度の運用に関する問題並びに予算問題が含まれる。

その他の問題に関する決定は、三分の二の多数によつて決定されるべき問題の新たな部類の決定を含めて、出席し且つ投票する構成国の過半数によつて行われる。

第十九条

この機構に対する分担金の支払が延滞している国際連合加盟国は、その延滞金の額がその時までの満二年間にその国から支払われるべきであつた分担金の額に等しいか又はこれをこえるときは、総会で投票権を有しない。但し、総会は、支払の不履行がこのような加盟国にとつてやむを得ない事情によると認めるときは、その加盟国に投票を許すことができる。

手続

第二十条

総会は、年次通常会期として、また、必要がある場合に特別会期として会合する。特別会期は、安全保障理事会の要請又は国際連合加盟国の過半数の要請があつたとき、事務総長が招集する。

第二十一条

総会は、その手続規則を採択する。総会は、その議長を会期ごとに選挙する。

第二十二条

総会は、その任務の遂行に必要と認める補助機関を設けることができる。

第五章 安全保障理事会
構成

第二十三条(編注1)

安全保障理事会は、十一の国際連合加盟国で構成する。中華民国、フランス、ソヴィエト社会主義共和国連邦、グレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国及びアメリカ合衆国は、安全保障理事会の常任理事国となる。総会は、第一に国際の平和及び安全の維持とこの機構のその他の目的とに対する国際連合加盟国の貢献に、更に衡平な地理的分配に特に妥当な考慮を払つて、安全保障理事会の非常任理事国となる他の六の国際連合加盟国を選挙する。

安全保障理事会の非常任理事国は、二年の任期で選挙される。但し、第一回の非常任理事国の選挙では、三国は、一年の任期で選ばれる。退任理事国は、引き続いて再選される資格がない。

安全保障理事会の各理事国は、一人の代表者を有する。

任務及び権限

第二十四条

国際連合の迅速且つ有効な行動を確保するために、国際連合加盟国は、国際の平和及び安全の維持に関する主要な責任を安全保障理事会に負わせるものとし、且つ、安全保障理事会がこの責任に基づく義務を果すに当つて加盟国に代つて行動することに同意する。

前記の義務を果すに当つては、安全保障理事会は、国際連合の目的及び原則に従つて行動しなければならない。この義務を果すために安全保障理事会に与えられる特定の権限は、第六章、第七章、第八章及び第十二章で定める。

安全保障理事会は、年次報告を、また、必要があるときは特別報告を総会に審議のため提出しなければならない。

第二十五条

国際連合加盟国は、安全保障理事会の決定をこの憲章に従つて受諾し且つ履行することに同意する。

第二十六条

世界の人的及び経済的資源を軍備のために転用することを最も少くして国際の平和及び安全の確立及び維持を促進する目的で、安全保障理事会は、軍備規制の方式を確立するため国際連合加盟国に提出される計画を、第四十七条に掲げる軍事参謀委員会の援助を得て、作成する責任を負う。

表決

第二十七条(編注2)

安全保障理事会の各理事国は、一個の投票権を有する。

手続事項に関する安全保障理事会の決定は、七理事国の賛成投票によつて行われる。

その他のすべての事項に関する安全保障理事会の決定は、常任理事国の同意投票を含む七理事国の賛成投票によつて行われる。但し、第六章及び第五十二条3に基く決定については、紛争当事国は、投票を棄権しなければならない。

手続

第二十八条

安全保障理事会は、継続して任務を行うことができるように組織する。このために、安全保障理事会の各理事国は、この機構の所在地に常に代表者をおかなければならない。

安全保障理事会は、定期会議を開く。この会議においては、各理事国は、希望すれば、閣員又は特に指名する他の代表者によつて代表されることができる。

安全保障理事会は、その事業を最も容易にすると認めるこの機構の所在地以外の場所で、会議を開くことができる。

第二十九条

安全保障理事会は、その任務の遂行に必要と認める補助機関を設けることができる。

第三十条

安全保障理事会は、議長を選定する方法を含むその手続規則を採択する。

第三十一条

安全保障理事会の理事国でない国際連合加盟国は、安全保障理事会に付託された問題について、理事会がこの加盟国の利害に特に影響があると認めるときはいつでも、この問題の討議に投票権なしで参加することができる。

第三十二条

安全保障理事会の理事国でない国際連合加盟国又は国際連合加盟国でない国は、安全保障理事会の審議中の紛争の当事者であるときは、この紛争に関する討議に投票権なしで参加するように勧誘されなければならない。安全保障理事会は、国際連合加盟国でない国の参加のために公正と認める条件を定める。

第六章 紛争の平和的解決

第三十三条

いかなる紛争でもその継続が国際の平和及び安全の維持を危くする虞のあるものについては、その当事者は、まず第一に、交渉、審査、仲介、調停、仲裁裁判、司法的解決、地域的機関又は地域的取極の利用その他当事者が選ぶ平和的手段による解決を求めなければならない。

2 安全保障理事会は、必要と認めるときは、当事者に対して、その紛争を前記の手段によつて解決するように要請する。

第三十四条

安全保障理事会は、いかなる紛争についても、国際的摩擦に導き又は紛争を発生させる虞のあるいかなる事態についても、その紛争又は事態の継続が国際の平和及び安全の維持を危くする虞があるかどうかを決定するために調査することができる。

第三十五条

国際連合加盟国は、いかなる紛争についても、第三十四条に掲げる性質のいかなる事態についても、安全保障理事会又は総会の注意を促すことができる。

国際連合加盟国でない国は、自国が当事者であるいかなる紛争についても、この憲章に定める平和的解決の義務をこの紛争についてあらかじめ受諾すれば、安全保障理事会又は総会の注意を促すことができる。

本条に基いて注意を促された事項に関する総会の手続は、第十一条及び第十二条の規定に従うものとする。

第三十六条

安全保障理事会は、第三十三条に掲げる性質の紛争又は同様の性質の事態のいかなる段階においても、適当な調整の手続又は方法を勧告することができる。

安全保障理事会は、当事者が既に採用した紛争解決の手続を考慮に入れなければならない。

本条に基いて勧告をするに当つては、安全保障理事会は、法律的紛争が国際司法裁判所規程の規定に従い当事者によつて原則として同裁判所に付託されなければならないことも考慮に入れなければならない。

第三十七条

第三十三条に掲げる性質の紛争の当事者は、同条に示す手段によつてこの紛争を解決することができなかつたときは、これを安全保障理事会に付託しなければならない。

安全保障理事会は、紛争の継続が国際の平和及び安全の維持を危くする虞が実際にあると認めるときは、第三十六条に基く行動をとるか、適当と認める解決条件を勧告するかのいずれかを決定しなければならない。

第三十八条

第三十三条から第三十七条までの規定にかかわらず、安全保障理事会は、いかなる紛争についても、すべての紛争当事者が要請すれば、その平和的解決のためにこの当事者に対して勧告をすることができる。

第七章 平和に対する脅威、平和の破壊及び侵略行為に関する行動

第三十九条

安全保障理事会は、平和に対する脅威、平和の破壊又は侵略行為の存在を決定し、並びに、国際の平和及び安全を維持し又は回復するために、勧告をし、又は第四十一条及び第四十二条に従つていかなる措置をとるかを決定する。

第四十条

事態の悪化を防ぐため、第三十九条の規定により勧告をし、又は措置を決定する前に、安全保障理事会は、必要又は望ましいと認める暫定措置に従うように関係当事者に要請することができる。この暫定措置は、関係当事者の権利、請求権又は地位を害するものではない。安全保障理事会は、関係当事者がこの暫定措置に従わなかつたときは、そのことに妥当な考慮を払わなければならない。

第四十一条

安全保障理事会は、その決定を実施するために、兵力の使用を伴わないいかなる措置を使用すべきかを決定することができ、且つ、この措置を適用するように国際連合加盟国に要請することができる。この措置は、経済関係及び鉄道、航海、航空、郵便、電信、無線通信その他の運輸通信の手段の全部又は一部の中断並びに外交関係の断絶を含むことができる。

第四十二条

安全保障理事会は、第四十一条に定める措置では不充分であろうと認め、又は不充分なことが判明したと認めるときは、国際の平和及び安全の維持又は回復に必要な空軍、海軍又は陸軍の行動をとることができる。この行動は、国際連合加盟国の空軍、海軍又は陸軍による示威、封鎖その他の行動を含むことができる。

第四十三条

国際の平和及び安全の維持に貢献するため、すべての国際連合加盟国は、安全保障理事会の要請に基き且つ一又は二以上の特別協定に従つて、国際の平和及び安全の維持に必要な兵力、援助及び便益を安全保障理事会に利用させることを約束する。この便益には、通過の権利が含まれる。

前記の協定は、兵力の数及び種類、その出動準備程度及び一般的配置並びに提供されるべき便益及び援助の性質を規定する。

前記の協定は、安全保障理事会の発議によつて、なるべくすみやかに交渉する。この協定は、安全保障理事会と加盟国との間又は安全保障理事会と加盟国群との間に締結され、且つ、署名国によつて各自の憲法上の手続に従つて批准されなければならない。

第四十四条

安全保障理事会は、兵力を用いることに決定したときは、理事会に代表されていない加盟国に対して第四十三条に基いて負つた義務の履行として兵力を提供するように要請する前に、その加盟国が希望すれば、その加盟国の兵力中の割当部隊の使用に関する安全保障理事会の決定に参加するようにその加盟国を勧誘しなければならない。

第四十五条

国際連合が緊急の軍事措置をとることができるようにするために、加盟国は、合同の国際的強制行動のため国内空軍割当部隊を直ちに利用に供することができるように保持しなければならない。これらの割当部隊の数量及び出動準備程度並びにその合同行動の計画は、第四十三条に掲げる一又は二以上の特別協定の定める範囲内で、軍事参謀委員会の援助を得て安全保障理事会が決定する。

第四十六条

兵力使用の計画は、軍事参謀委員会の援助を得て安全保障理事会が作成する。

第四十七条

国際の平和及び安全の維持のための安全保障理事会の軍事的要求、理事会の自由に任された兵力の使用及び指揮、軍備規制並びに可能な軍備縮少に関するすべての問題について理事会に助言及び援助を与えるために、軍事参謀委員会を設ける。

軍事参謀委員会は、安全保障理事会の常任理事国の参謀総長又はその代表者で構成する。この委員会に常任委員として代表されていない国際連合加盟国は、委員会の責任の有効な遂行のため委員会の事業へのその国の参加が必要であるときは、委員会によつてこれと提携するように勧誘されなければならない。

軍事参謀委員会は、安全保障理事会の下で、理事会の自由に任された兵力の戦略的指導について責任を負う。この兵力の指揮に関する問題は、後に解決する。

軍事参謀委員会は、安全保障理事会の許可を得て、且つ、適当な地域的機関と協議した後に、地域的小委員会を設けることができる。

第四十八条

国際の平和及び安全の維持のための安全保障理事会の決定を履行するのに必要な行動は、安全保障理事会が定めるところに従つて国際連合加盟国の全部又は一部によつてとられる。

前記の決定は、国際連合加盟国によつて直接に、また、国際連合加盟国が参加している適当な国際機関におけるこの加盟国の行動によつて履行される。

第四十九条

国際連合加盟国は、安全保障理事会が決定した措置を履行するに当つて、共同して相互援助を与えなければならない。

第五十条

安全保障理事会がある国に対して防止措置又は強制措置をとつたときは、他の国でこの措置の履行から生ずる特別の経済問題に自国が当面したと認めるものは、国際連合加盟国であるかどうかを問わず、この問題の解決について安全保障理事会と協議する権利を有する。

第五十一条

この憲章のいかなる規定も、国際連合加盟国に対して武力攻撃が発生した場合には、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間、個別的又は集団的自衛の固有の権利を害するものではない。この自衛権の行使に当つて加盟国がとつた措置は、直ちに安全保障理事会に報告しなければならない。また、この措置は、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持又は回復のために必要と認める行動をいつでもとるこの憲章に基く権能及び責任に対しては、いかなる影響も及ぼすものではない。

第八章 地域的取極

第五十二条

この憲章のいかなる規定も、国際の平和及び安全の維持に関する事項で地域的行動に適当なものを処理するための地域的取極又は地域的機関が存在することを妨げるものではない。但し、この取極又は機関及びその行動が国際連合の目的及び原則と一致することを条件とする。

前記の取極を締結し、又は前記の機関を組織する国際連合加盟国は、地方的紛争を安全保障理事会に付託する前に、この地域的取極又は地域的機関によつてこの紛争を平和的に解決するようにあらゆる努力をしなければならない。

安全保障理事会は、関係国の発意に基くものであるか安全保障理事会からの付託によるものであるかを問わず、前記の地域的取極又は地域的機関による地方的紛争の平和的解決の発達を奨励しなければならない。

本条は、第三十四条及び第三十五条の適用をなんら害するものではない。

第五十三条

安全保障理事会は、その権威の下における強制行動のために、適当な場合には、前記の地域的取極又は地域的機関を利用する。但し、いかなる強制行動も、安全保障理事会の許可がなければ、地域的取極に基いて又は地域的機関によつてとられてはならない。もつとも、本条2に定める敵国のいずれかに対する措置で、第百七条に従つて規定されるもの又はこの敵国における侵略政策の再現に備える地域的取極において規定されるものは、関係政府の要請に基いてこの機構がこの敵国による新たな侵略を防止する責任を負うときまで例外とする。

本条1で用いる敵国という語は、第二次世界戦争中にこの憲章のいずれかの署名国の敵国であつた国に適用される。

第五十四条

安全保障理事会は、国際の平和及び安全の維持のために地域的取極に基いて又は地域的機関によつて開始され又は企図されている活動について、常に充分に通報されていなければならない。

第九章 経済的及び社会的国際協力

第五十五条

人民の同権及び自決の原則の尊重に基礎をおく諸国間の平和的且つ友好的関係に必要な安定及び福祉の条件を創造するために、国際連合は、次のことを促進しなければならない。

一層高い生活水準、完全雇用並びに経済的及び社会的の進歩及び発展の条件

経済的、社会的及び保健的国際問題と関係国際問題の解決並びに文化的及び教育的国際協力

人権、性、言語又は宗教による差別のないすべての者のための人権及び基本的自由の普遍的な尊重及び遵守

第五十六条

すべての加盟国は、第五十五条に掲げる目的を達成するために、この機構と協力して、共同及び個別の行動をとることを誓約する。

第五十七条

政府間の協定によつて設けられる各種の専門機関で、経済的、社会的、文化的、教育的及び保健的分野並びに関係分野においてその基本的文書で定めるところにより広い国際的責任を有するものは、第六十三条の規定に従つて国際連合と連携関係をもたされなければならない。

こうして国際連合と連携関係をもたされる前記の機関は、以下専門機関という。

第五十八条

この機構は、専門機関の政策及び活動を調整するために勧告をする。

第五十九条

この機構は、適当な場合には、第五十五条に掲げる目的の達成に必要な新たな専門機関を設けるために関係国間の交渉を発議する。

第六十条

この章に掲げるこの機構の任務を果す責任は、総会及び、総会の権威の下に、経済社会理事会に課せられる。理事会は、このために第十章に掲げる権限を有する。

第十章 経済社会理事会
構成

第六十一条(編注3)

経済社会理事会は、総会によつて選挙される十八の国際連合加盟国で構成する。

3の規定を留保して、経済社会理事会の六理事国は、三年の任期で毎年選挙される。退任理事国は、引き続いて再選される資格がある。

第一回の選挙では、経済社会理事会の十八理事国が選ばれる。こうして選ばれるもののうち、六理事国の任期は一年の終に、他の六理事国の任期は二年の終に、総会の定める取極に従つて終了する。

経済社会理事会の各理事国は、一人の代表者を有する。

任務及び権限

第六十二条

経済社会理事会は、経済的、社会的、文化的、教育的及び保健的国際事項並びに関係国際事項に関する研究及び報告を行い、又は発議し、並びにこれらの事項に関して総会、国際連合加盟国及び関係専門機関に勧告をすることができる。

理事会は、すべての者のための人権及び基本的自由の尊重及び遵守を助長するために、勧告をすることができる。

理事会は、その権限に属する事項について、総会に提出するための条約案を作成することができる。

理事会は、国際連合の定める規則に従つて、その権限に属する事項について国際会議を招集することができる。

第六十三条

経済社会理事会は、第五十七条に掲げる機関のいずれとの間にも、その機関が国際連合と連携関係をもたされるについての条件を定める協定を締結することができる。この協定は、総会の承認を受けなければならない。

理事会は、専門機関との協議及び専門機関に対する勧告並びに総会及び国際連合加盟国に対する勧告によつて、専門機関の活動を調整することができる。

第六十四条

経済社会理事会は、専門機関から定期報告を受けるために、適当な措置をとることができる。理事会は、理事会の勧告と理事会の権限に属する事項に関する総会の勧告とを実施するためにとられた措置について報告を受けるため、国際連合加盟国及び専門機関と取極を行うことができる。

理事会は、前記の報告に関するその意見を総会に通報することができる。

第六十五条

経済社会理事会は、安全保障理事会に情報を提供することができる。経済社会理事会は、また、安全保障理事会の要請があつたときは、これを援助しなければならない。

第六十六条

経済社会理事会は、総会の勧告の履行に関して、自己の権限に属する任務を遂行しなければならない。

理事会は、国際連合加盟国の要請があつたとき、又は専門機関の要請があつたときは、総会の承認を得て役務を提供することができる。

理事会は、この憲章の他の箇所に定められ、又は総会によつて自己に与えられるその他の任務を遂行しなければならない。

表決

第六十七条

経済社会理事会の各理事国は、一個の投票権を有する。

経済社会理事会の決定は、出席し且つ投票する理事国の過半数によつて行われる。

手続

第六十八条

経済社会理事会は、経済的及び社会的分野における委員会、人権の伸張に関する委員会並びに自己の任務の遂行に必要なその他の委員会を設ける。

第六十九条

経済社会理事会は、いずれの国際連合加盟国に対しても、その加盟国に特に関係のある事項についての審議に投票権なしで参加するように勧誘しなければならない。

第七十条

経済社会理事会は、専門機関の代表者が理事会の審議及び理事会の設ける委員会の審議に投票権なしで参加するための取極並びに理事会の代表者が専門機関の審議に参加するための取極を行うことができる。

第七十一条

経済社会理事会は、その権限内にある事項に関係のある民間団体と協議するために、適当な取極を行うことができる。この取極は、国際団体との間に、また、適当な場合には、関係のある国際連合加盟国と協議した後に国内団体との間に行うことができる。

第七十二条

経済社会理事会は、議長を選定する方法を含むその手続規則を採択する。

経済社会理事会は、その規則に従つて必要があるときに会合する。この規則は、理事国の過半数の要請による会議招集の規定を含まなければならない。

第十一章 非自治地域に関する宣言

第七十三条

人民がまだ完全には自治を行うに至つていない地域の施政を行う責任を有し、又は引き受ける国際連合加盟国は、この地域の住民の利益が至上のものであるという原則を承認し、且つ、この地域の住民の福祉をこの憲章の確立する国際の平和及び安全の制度内で最高度まで増進する義務並びにそのために次のことを行う義務を神聖な信託として受諾する。

関係人民の文化を充分に尊重して、この人民の政治的、経済的、社会的及び教育的進歩、公正な待遇並びに虐待からの保護を確保すること。

各地域及びその人民の特殊事情並びに人民の進歩の異なる段階に応じて、自治を発達させ、人民の政治的願望に妥当な考慮を払い、且つ、人民の自由な政治制度の漸進的発達について人民を援助すること。

国際の平和及び安全を増進すること。

本条に掲げる社会的、経済的及び科学的目的を実際に達成するために、建設的な発展措置を促進し、研究を奨励し、且つ、相互に及び適当な場合には専門国際団体と協力すること。

第十二章及び第十三章の適用を受ける地域を除く外、前記の加盟国がそれぞれ責任を負う地域における経済的、社会的及び教育的状態に関する専門的性質の統計その他の資料を、安全保障及び憲法上の考慮から必要な制限に従うことを条件として、情報用として事務総長に定期的に送付すること。

第七十四条

国際連合加盟国は、また、本章の適用を受ける地域に関するその政策を、その本土に関する政策と同様に、世界の他の地域の利益及び福祉に妥当な考慮を払つた上で、社会的、経済的及び商業的事項に関して善隣主義の一般原則に基かせなければならないことに同意する。

第十二章 国際信託統治制度

第七十五条

国際連合は、その権威の下に、国際信託統治制度を設ける。この制度は、今後の個個の協定によつてこの制度の下におかれる地域の施政及び監督を目的とする。この地域は、以下信託統治地域という。

第七十六条

信託統治制度の基本目的は、この憲章の第一条に掲げる国際連合の目的に従つて、次のとおりとする。

国際の平和及び安全を増進すること。

信託統治地域の住民の政治的、経済的、社会的及び教育的進歩を促進すること。各地域及びその人民の特殊事情並びに関係人民が自由に表明する願望に適合するように、且つ、各信託統治協定の条項が規定するところに従つて、自治又は独立に向つての住民の漸進的発達を促進すること。

人種、性、言語又は宗教による差別なくすべての者のために人権及び基本的自由を尊重するように奨励し、且つ、世界の人民の相互依存の認識を助長すること。

前記の目的の達成を妨げることなく、且つ、第八十条の規定を留保して、すべての国際連合加盟国及びその国民のために社会的、経済的及び商業的事項について平等の待遇を確保し、また、その国民のために司法上で平等の待遇を確保すること。

第七十七条

信託統治制度は、次の種類の地域で信託統治協定によつてこの制度の下におかれるものに適用する。

現に委任統治の下にある地域

第二次世界戦争の結果として敵国から分離される地域

施政について責任を負う国によつて自発的にこの制度の下におかれる地域

前記の種類のうちのいずれの地域がいかなる条件で信託統治制度の下におかれるかについては、今後の協定で定める。

第七十八条

国際連合加盟国の間の関係は、主権平等の原則の尊重を基礎とするから、信託統治制度は、加盟国となつた地域には適用しない。

第七十九条

信託統治制度の下におかれる各地域に関する信託統治の条項は、いかなる変更又は改正も含めて、直接関係国によつて協定され、且つ、第八十三条及び第八十五条に規定するところに従つて承認されなければならない。この直接関係国は、国際連合加盟国の委任統治の下にある地域の場合には、受任国を含む。

第八十条

第七十七条、第七十九条及び第八十一条に基いて締結され、各地域を信託統治制度の下におく個個の信託統治協定において協定されるところを除き、また、このような協定が締結される時まで、本章の規定は、いずれの国又はいずれの人民のいかなる権利をも、また、国際連合加盟国がそれぞれ当事国となつている現存の国際文書の条項をも、直接又は間接にどのようにも変更するものと解釈してはならない。

本条1は、第七十七条に規定するところに従つて委任統治地域及びその他の地域を信託統治制度の下におくための協定の交渉及び締結の遅滞又は延期に対して、根拠を与えるものと解釈してはならない。

第八十一条

信託統治協定は、各場合において、信託統治地域の施政を行うについての条件を含み、且つ、信託統治地域の施政を行う当局を指定しなければならない。この当局は、以下施政権者といい、一若しくは二以上の国又はこの機構自身であることができる。

第八十二条

いかなる信託統治協定においても、その協定が適用される信託統治地域の一部又は全部を含む一又は二以上の戦略地区を指定することができる。但し、第四十三条に基いて締結される特別協定を害してはならない。

第八十三条

戦略地区に関する国際連合のすべての任務は、信託統治協定の条項及びその変更又は改正の承認を含めて、安全保障理事会が行う。

第七十六条に掲げる基本目的は、各戦略地区の人民に適用する。

安全保障理事会は、国際連合の信託統治制度に基く任務で戦略地区の政治的、経済的、社会的及び教育的事項に関するものを遂行するために、信託統治理事会の援助を利用する。但し、信託統治協定の規定には従うものとし、また、安全保障の考慮が妨げられてはならない。

第八十四条

信託統治地域が国際の平和及び安全の維持についてその役割を果すようにすることは、施政権者の義務である。このため、施政権者は、この点に関して安全保障理事会に対して負う義務を履行するに当つて、また、地方的防衛並びに信託統治地域における法律及び秩序の維持のために、信託統治地域の義勇軍、便益及び援助を利用することができる。

第八十五条

戦略地区として指定されないすべての地区に関する信託統治協定についての国際連合の任務は、この協定の条項及びその変更又は改正の承認を含めて、総会が行う。

総会の権威の下に行動する信託統治理事会は、前記の任務の遂行について総会を援助する。

第十三章 信託統治理事会
構成

第八十六条

信託統治理事会は、次の国際連合加盟国で構成する。

信託統治地域の施政を行う加盟国

第二十三条に名を掲げる加盟国で信託統治地域の施政を行つていないもの

総会によつて三年の任期で選挙されるその他の加盟国。その数は、信託統治理事会の理事国の総数を、信託統治地域の施政を行う国際連合加盟国とこれを行つていないものとの間に均分するのに必要な数とする。

信託統治理事会の各理事国は、理事会で自国を代表する特別の資格を有する者一人を指名しなければならない。

任務及び権限

第八十七条

総会及び、その権威の下に、信託統治理事会は、その任務の遂行に当つて次のことを行うことができる。

施政権者の提出する報告を審議すること。

請願を受理し、且つ、施政権者と協議してこれを審査すること。

施政権者と協定する時期に、それぞれの信託統治地域の定期視察を行わせること。

信託統治協定の条項に従つて、前記の行動その他の行動をとること。

第八十八条

信託統治理事会は、各信託統治地域の住民の政治的、経済的、社会的及び教育的進歩に関する質問書を作成しなければならない。また、総会の権限内にある各信託統治地域の施政権者は、この質問書に基いて、総会に年次報告を提出しなければならない。

表決

第八十九条

信託統治理事会の各理事国は、一個の投票権を有する。

信託統治理事会の決定は、出席し且つ投票する理事国の過半数によつて行われる。

手続

第九十条

信託統治理事会は、議長を選定する方法を含むその手続規則を採択する。

信託統治理事会は、その規則に従つて必要があるときに会合する。この規則は、理事国の過半数の要請による会議招集の規定を含まなければならない。

第九十一条

信託統治理事会は、適当な場合には、経済社会理事会及び専門機関がそれぞれ関係している事項について、両者の援助を利用する。

第十四章 国際司法裁判所

第九十二条

国際司法裁判所は、国際連合の主要な司法機関である。この裁判所は、附属の規程に従つて任務を行う。この規程は、常設国際司法裁判所規程を基礎とし、且つ、この憲章と不可分の一体をなす。

第九十三条

すべての国際連合加盟国は、当然に、国際司法裁判所規程の当事国となる。

国際連合加盟国でない国は、安全保障理事会の勧告に基いて総会が各場合に決定する条件で国際司法裁判所規程の当事国となることができる。

第九十四条

各国際連合加盟国は、自国が当事者であるいかなる事件においても、国際司法裁判所の裁判に従うことを約束する。

事件の一方の当事者が裁判所の与える判決に基いて自国が負う義務を履行しないときは、他方の当事者は、安全保障理事会に訴えることができる。理事会は、必要と認めるときは、判決を執行するために勧告をし、又はとるべき措置を決定することができる。

第九十五条

この憲章のいかなる規定も、国際連合加盟国が相互間の紛争の解決を既に存在し又は将来締結する協定によつて他の裁判所に付託することを妨げるものではない。

第九十六条

総会又は安全保障理事会は、いかなる法律問題についても勧告的意見を与えるように国際司法裁判所に要請することができる。

国際連合のその他の機関及び専門機関でいずれかの時に総会の許可を得るものは、また、その活動の範囲内において生ずる法律問題について裁判所の勧告的意見を要請することができる。

第十五章 事務局

第九十七条

事務局は、一人の事務総長及びこの機構が必要とする職員からなる。事務総長は、安全保障理事会の勧告に基いて総会が任命する。事務総長は、この機構の行政職員の長である。

第九十八条

事務総長は、総会、安全保障理事会、経済社会理事会及び信託統治理事会のすべての会議において事務総長の資格で行動し、且つ、これらの機関から委託される他の任務を遂行する。事務総長は、この機構の事業について総会に年次報告を行う。

第九十九条

事務総長は、国際の平和及び安全の維持を脅威すると認める事項について、安全保障理事会の注意を促すことができる。

第百条

事務総長及び職員は、その任務の遂行に当つて、いかなる政府からも又はこの機構外のいかなる他の当局からも指示を求め、又は受けてはならない。事務総長及び職員は、この機構に対してのみ責任を負う国際的職員としての地位を損ずる虞のあるいかなる行動も慎まなければならない。

各国際連合加盟国は、事務総長及び職員の責任のもつぱら国際的な性質を尊重すること並びにこれらの者が責任を果すに当つてこれらの者を左右しようとしないことを約束する。

第百一条

職員は、総会が設ける規則に従つて事務総長が任命する。

経済社会理事会、信託統治理事会及び、必要に応じて、国際連合のその他の機関に、適当な職員を常任として配属する。この職員は、事務局の一部をなす。

職員の雇用及び勤務条件の決定に当つて最も考慮すべきことは、最高水準の能率、能力及び誠実を碓保しなければならないことである。職員をなるべく広い地理的基礎に基いて採用することの重要性については、妥当な考慮を払わなければならない。

第十六章 雑則

第百二条

この憲章が効力を生じた後に国際連合加盟国が締結するすべての条約及びすべての国際協定は、なるべくすみやかに事務局に登録され、且つ、事務局によつて公表されなければならない。

前記の条約又は国際協定で本条1の規定に従つて登録されていないものの当事国は、国際連合のいかなる機関に対しても当該条約又は協定を援用することができない。

第百三条

国際連合加盟国のこの憲章に基く義務と他のいずれかの国際協定に基く義務とが抵触するときは、この憲章に基く義務が優先する。

第百四条

この機構は、その任務の遂行及びその目的の達成のために必要な法律上の能力を各加盟国の領域において享有する。

第百五条

この機構は、その目的の達成に必要な特権及び免除を各加盟国の領域において享有する。

これと同様に、国際連合加盟国の代表者及びこの機構の職員は、この機構に関連する自己の任務を独立に遂行するために必要な特権及び免除を享有する。

総会は、本条1及び2の適用に関する細目を決定するために勧告をし、又はそのために国際連合加盟国に条約を提案することができる。

第十七章 安全保障の過渡的規定

第百六条

第四十三条に掲げる特別協定でそれによつて安全保障理事会が第四十二条に基く責任の遂行を開始することができると認めるものが効力を生ずるまでの間、千九百四十三年十月三十日にモスコーで署名された四国宣言の当事国及びフランスは、この宣言の第五項の規定に従つて、国際の平和及び安全の維持のために必要な共同行動をこの機構に代つてとるために相互に及び必要に応じて他の国際連合加盟国と協議しなければならない。

第百七条

この憲章のいかなる規定も、第二次世界戦争中にこの憲章の署名国の敵であつた国に関する行動でその行動について責任を有する政府がこの戦争の結果としてとり又は許可したものを無効にし、又は排除するものではない。

第十八章 改正

第百八条

この憲章の改正は、総会の構成国の三分の二の多数で採択され、且つ、安全保障理事会のすべての常任理事国を含む国際連合加盟国の三分の二によつて各自の憲法上の手続きに従つて批准された時に、すべての国際連合加盟国に対して効力を生ずる。

第百九条(編注4)

この憲章を再審議するための国際連合加盟国の全体会議は、総会の構成国の三分の二の多数及び安全保障理事会の七理事国の投票によつて決定される日及び場所で開催することができる。各国際連合加盟国は、この会議において一個の投票権を有する。

全体会議の三分の二の多数によつて勧告されるこの憲章の変更は、安全保障理事会のすべての常任理事国を含む国際連合加盟国の三分の二によつて各自の憲法上の手続に従つて批准された時に効力を生ずる。

この憲章の効力発生後の総会の第十回年次会期までに全体会議が開催されなかつた場合には、これを招集する提案を総会の第十回年次会期の議事日程に加えなければならず、全体会議は、総会の構成国の過半数及び安全保障理事会の七理事国の投票によつて決定されたときに開催しなければならない。

第十九章 批准及び署名

第百十条

この憲章は、署名国によつて各自の憲法上の手続に従つて批准されなければならない。

批准書は、アメリカ合衆国政府に寄託される。同政府は、すべての署名国及び、この機構の事務総長が任命された場合には、事務総長に対して各寄託を通告する。

この憲章は、中華民国、フランス、ソヴィエト社会主義共和国連邦、グレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国、アメリカ合衆国及びその他の署名国の過半数が批准書を寄託した時に効力を生ずる。批准書寄託調書は、その時にアメリカ合衆国政府が作成し、その謄本をすべての署名国に送付する。

この憲章の署名国で憲章が効力を生じた後に批准するものは、各自の批准書の寄託の日に国際連合の原加盟国となる。

第百十一条

この憲章は、中国語、フランス語、ロシア語、英語及びスペイン語の本文をひとしく正文とし、アメリカ合衆国政府の記録に寄託しておく。この憲章の認証謄本は、同政府が他の署名国の政府に送付する。

以上の証拠として、連合国政府の代表者は、この憲章に署名した。

千九百四十五年六月二十六日にサン・フランシスコ市で作成した。

中国

ヴィー=キュイン・ウェリントン・クー

ワン・チュン=フイ

ウェイ・タオ=ミン

ウー・イー・ファン

リー・ホワン

チュン=マイ・カーソン・チャン

トゥン・ピー=ウー

フー・リン

ソヴィエト社会主義共和国連邦

A・グロムイコ

A・ラヴレンティエフ

K・ノヴィコフ

S・ツァラプキン

S・ゴルンスキー

S・クルイロフ

ロディオノフ

グレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国

ハリファックス

クランボーン

アメリカ合衆国

E・R・ステティニアス・ジュニア

トム・コナリ

A・H・ヴァンデンバーグ

S・ブルーム

チァールズ・A・イートゥン

ハラルド・E・スタッセン

ヴァージニア・C・ギルダースリーヴ

フランス

J・ポール=ボンクール

アルゼンティン

M・カールカーノ

O・イバルラ・G

フアン・カルロス・バッシ

A・D・ブルーネット

オーストラリア

F・M・フォード

H・V・エヴァット

ベルギー王国

A・E・ド・シュリヴェール

ボリヴィア

V・アンドラーデ

C・サラマンカ・F

E・アルセ・Q

ブラジル

P・レオン・O・ヴェローソ

C・デ・フレイタス・ヴァーレ

陸軍大将 エステヴァウン・レイタウン・デ・カルヴァーリョ

A・カミーロ・デ・オリヴェイラ

ドクトル・ベルタ・ルーツ

白ロシア・ソヴィエト社会主義共和国

K・キセレフ

A・ジェブラーク

V・ペルツェフ

G・バイダコフ

F・シュムイガフ

カナダ

W・L・マッケンジー・キング

ルイス・S・S・ローレント

チリ

ホアキーン・フェルナーンデス・F

マルシアール・モーラ・M

ホセ・マーサ

ガブリエール・ゴンサーレス

コントレーラス・ラバールカ

F・ニエート・デル・リーオ

E・アルカールデ・C

ヘルマーン・ベルガーラ

フーリオ・エスクデーロ

コロンビア

アルベルト・リェーラス

A・ゴンサーレス・フェルナーンデス

エドゥアルド・スレータ・アンヘール

シルビーオ・ビリェーガス

ヘスース・M・イェーペス

コスタ・リカ

フーリオ・アコスタ

J・ラファエール・オレアムーノ

キュバ

G・ベールト

エルネスト・ディイーゴ

チェッコスロヴァキア

ヤン・マサリーク

デンマーク

ヘンリーク・カウフマン

ハルトヴィヒ・フリシュ

E・フスフェルト

ドミニカ共和国

M・ペーニァ・バートリェ

エミリーオ・G・ゴドイ

ヒルベルト・サンチェース・ルストリーノ

T・フランコ・F

ミネルバ・ベルナルディーノ

エクアドル

C・ポンセ・エンリーケス

ガーロ・プラーサ

C・トバール・サルドゥムビーデ

エジプト

A・バダーウィ

I・ハディ

エル・サルヴァドル

エクトール・ダビード・カーストロ

医学博士 カルロス・レイバ

エティオピア

アクリル・H

アンバーイェ・W

エフレム・T・メドヘン

ギリシャ

J・A・ソフィアノプーロス

グァテマラ

ギリェルモ・トリエーリョ

M・ノリエーガ・M

E・シルバ・ペーニャ

ハイティ

ヘラルド・レースコット

A・リアウタウド

ホンデュラス

フリアーン・R・カーセレス

マルコス・カリーアス・レーイェス

ビルヒーリオ・R・カルベース

インド

A・ラマスワミ・ムダリアル

V・T・クリシュナマチャリ

イラン

モスタファ・アドレ

イラーク

M・ファデール・ジャマリ

レバノン

W・ナイム

A・ヤフィ

サレム

シャルル・マリーク

リベリア

C・L・シンプスン

ゲーブリエル・L・デニス

J・レミュエル・ギブスン

リチャード・ヘンリーズ

M・N・グラント

ルクセンブルグ大公国

ユーグ・ル・ガレー

メキシコ

E・パディーリャ

F・カスティーリョ・ナーヘラ

マヌエル・テーリョ

オランダ王国

A・ルードン

ニュー・ジーランド

ピーター・フレーザー

C・A・ベレンドセン

ニカラグァ

マリアーノ・アルグエーリョ

ルイース・マヌエル・デ・バイレ

ノールウェー王国

ヴィルヘルム・ムンテ・モルゲンスティールネ

パナマ

ロベルト・ヒメーネス

パラグァイ

セールソ・R・ベラースケス

J・B・アヤーラ

ペルー

マヌエル・C・ガリャーゲル

V・A・ベラウンデ

ルイース・フェルナーン・シスネーロス

フィリピン連邦

カルロス・P・ロムロ

フランシスコ・A・デルガード

ポーランド

サウディ・アラビア

ファイサル

シリア

F・アル=クーリ

N・アンターキ

N・クードシ

トルコ

ハサン・サカ

フセイン・ラギプ・ベードゥール

フェリドゥン・セマル・エルキン

ウクライナ・ソヴィエト社会主義共和国

D・マヌイルスキー

イヴァン・セニン

アレクサンデル・パラディン

ミコラ・ペトロフスキー

南アフリカ連邦

元帥J・C・スマッツ

ウルグァイ

ホセ・セルラート

ハコーボ・バレーラ

エクトル・ルイシ

シー・ヒアムブルノ

フアン・F・ギチョーン

エークトル・パイッセー・レーイェス

ヴェネズエラ

C・パルラ・ペーレス

グスターボ・エルレーラ

A・マチャード・ウンヅ

R・エルネスト・ローペス

ユーゴースラヴィア

スタノーイェ・シミック

(編注1)
1963年12月17日改正文書採択、1965年8月31日効力発生

第二十三条

安全保障理事会は、十五の国際連合加盟国で構成する。中華民国、フランス、ソヴィエト社会主義共和国連邦、グレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国及びアメリカ合衆国は、安全保障理事会の常任理事国となる。総会は、第一に国際の平和及び安全の維持とこの機構のその他の目的とに対する国際連合加盟国の貢献に、更に衡平な地理的分配に特に妥当な考慮を払つて、安全保障理事会の非常任理事国となる他の十の国際連合加盟国を選挙する。

安全保障理事会の非常任理事国は、二年の任期で選挙される。安全保障理事会の理事国の定数が十一から十五に増加された後の第一回の非常任理事国の選挙では、追加の四理事国のうち二理事国は、一年の任期で選ばれる。退任理事国は、引き続いて再選される資格がない。

安全保障理事会の各理事国は、一人の代表者を有する。

(編注2)
1963年12月17日改正文書採択、1965年8月31日効力発生

第二十七条

安全保障理事会の各理事国は、一個の投票権を有する。

手続事項に関する安全保障理事会の決定は、九理事国の賛成投票によつて行われる。

その他のすべての事項に関する安全保障理事会の決定は、常任理事国の同意投票を含む九理事国の賛成投票によつて行われる。但し、第六章及び第五十二条3に基く決定については、紛争当事国は、投票を棄権しなければならない。

(編注3)
1963年12月17日改正文書採択、1965年8月31日効力発生

第六十一条

経済社会理事会は、総会によつて選挙される二十七の国際連合加盟国で構成する。

3の規定を留保して、経済社会理事会の九理事国は、三年の任期で毎年選挙される。退任理事国は、引き続いて再選される資格がある。

経済社会理事会の理事国の定数が十八から二十七に増加された後の第一回の選挙ではその年の終りに任期が終了する六理事国に代わつて選挙される理事国に加えて、更に九理事国が選挙される。このようにして選挙された追加の九理事国のうち三理事国の任期は一年の終りに、他の三理事国の任期は二年の終りは{前1文字ママ、に?}、総会の定めるところに従つて終了する。

経済社会理事会の各理事国は、一人の代表者を有する。

1971年12月20日改正文書採択、1973年9月24日効力発生

第六十一条

経済社会理事会は、総会によつて選挙される五十四の国際連合加盟国で構成する。

3の規定を留保して、経済社会理事会の十八理事国は、三年の任期で毎年選挙される。退任理事国は、引き続いて再選される資格がある。

経済社会理事会の理事国の定数が二十七から五十四に増加された後の第一回の選挙では、その年の終りに任期が終了する九理事国に代わつて選挙される理事国に加えて、更に二十七理事国が選挙される。このようにして選挙された追加の二十七理事国のうち、総会の定めるところに従つて、九理事国の任期は一年の終りに、他の九理事国の任期は二年の終りに終了する。

経済社会理事会の各理事国は、一人の代表者を有する。

(編注4)
1965年12月20日改正文書採択、1968年6月12日効力発生

第百九条

この憲章を再審議するための国際連合加盟国の全体会議は、総会の構成国の三分の二の多数及び安全保障理事会の九理事国の投票によつて決定される日及び場所で開催することができる。各国際連合加盟国は、この会議において一個の投票権を有する。

全体会議の三分の二の多数によつて勧告されるこの憲章の変更は、安全保障理事会のすべての常任理事国を含む国際連合加盟国の三分の二によつて各自の憲法上の手続に従つて批准された時に効力を生ずる。

この憲章の効力発生後の総会の第十回年次会期までに全体会議が開催されなかつた場合には、これを招集する提案を総会の第十回年次会期の議事日程に加えなければならず、全体会議は、総会の構成国の過半数及び安全保障理事国の七理事国の投票によつて決定されたときに開催しなければならない。