イスラーム地域研究5班
調査報告

a グループ「サライ・アルバム研究会」トルコ調査報告

調査先 : トプカプ宮殿美術館(トルコ・イスタンブール)

調査期間: 1999 年 9 月 1 日〜 14 日

調査目的:
トプカプ宮殿美術館・登録番号 H.2153, H.2160 の「サライ・アルバム(Saray Albums)」カタログ出版のためのデータベース作成

調査作業内容:
H.2153 の中に収められている、絵画・書のデータ入力およびデジタルカメラでの撮影と入力

調査参加者 :
ヤマンラール水野美奈子(東亜大学)、杉村 棟(龍谷大学)、村野 浩(東海大学)、関 喜房(東海大学)、小林 一枝(早稲田大学)、阿部 克彦(上野学園大学)、小柴 はるみ(東海大学)、青木美由紀(イスタンブル工科大学)、松本 奈穂子(お茶の水女子大学)

調査結果:

 今回のトプカプ宮殿美術館調査研究のための出張は、1999 年 2 月 23 日〜 3 月 19 日に行われた、第1次調査研究での作業の継続を目的として行われた。前回の調査では、H.2153 アルバムのフォリオ77(=第 77 葉)までの入力・採寸を終了していたので、今回はフォリオ 78 から入力を始め、フォリオ 112 までを入力した。なお、H.2153 のフォリオ総数は、199 葉である。
 今回の調査では、8 月 17 日のトルコ大地震(「コジャエリ地震」)、9 月 2 日のトプカプ宮殿美術館盗難事件の影響で、作業が予定通りに進まなかった。地震によって、調査作業場である図書館に新たな亀裂が生じ、また盗難事件では、展示室から図書館所蔵のコーランが盗まれた。そのため、図書館が調査や検証のためにしばしば閉館され、作業日数は前回の 17 日間に対し 12 日間と少なく、データ入力量も前回に比べて少ない。しかし、地震と盗難という大事件のなかで混乱していたにもかかわらず、トプカプ美術館が我々の作業を許可してくれたこと自体に、深く感謝しなければならない。
 計 12 日間で終了した調査作業結果は、以下のとおりである;

フォリオ数 : 35 葉
作業    : 
1 .データベース表作成       計   337枚
2 .デジタルカメラでの撮影と入力  計 2,829点
3 .採寸         計 35 フォリオ上の全作品
 今後、H.2153の残りの 87 葉とH.2160 の全 99 葉のデータベース作成が残っているが、2000 年 3 月に予定している次回調査作業までに、これまで入力したデータベースの整理を行い、カタログ作成の具体案を立てる予定である。
(文責:ヤマンラール 水野 美奈子)


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