今回は『天方性理』図伝・巻五の第9節である「大中見小図説」を読み進めた。 読解の要約は以下の通り。
本節は前節の小中見大図説と対になるが、まず万物の中で天地が最も大きいもの であるとする。前節で最も小さいものを塵に比定したのに対応する。しかし天地が大 きいのは観察者が本然に帰らないところから天地を眺めているからであって、本然に帰っ た立場から天地を見ると小に見える。結局、天地万物には相対的な大小しか存在せず、 それは真一に決まった大きさがない、大きさの概念を超越していることによる。 前節とともにキーとなる「見」がどういう意味を持つかが問題となった。「見る」 のであれば何を見ることになるのか。また本節では「葉子徳」なる人物の言葉が引用され、バ スターミーに比定した。
(文責:佐藤 実)